コラム

2017.10.19

意識の高い人がジムに通う「筋トレ以外」の意外な理由

「文章が苦手。書いている時間がツラい。メールも企画書もできれば書きたくない…」
「最初の1行を書き出すまでに、ものすごく時間がかかる…」
「文章がうまく伝わらない。しゃべって伝えることはできるのに…」
「書き直しを何度も命じられて、いつまで経っても書き終わらない…」
「数千字のレポートなどは、文字が埋まらなくて苦痛だ…」

そうした文章を書く人の悩みを全て解決する注目の新刊『10倍速く書ける 超スピード文章術』が、発売間もなく重版が決まるなど、大きな話題を呼んでいる。とりわけ、毎日の更新を自らに課すストイックなブロガー諸氏など、「日々の書き物」に追われる方から、特に多くの好意的な感想が寄せられている。

そこで今回は、「書くネタ」を増やすために、自分1人でできる1つのメソッドを紹介する。

※こちらの記事は『ダイヤモンド社 書籍オンライン 』の提供コンテンツです。元記事はこちら。

一流のビジネスパーソンが
「ジム」に通う理由

みなさんは、シャワーを浴びているときや通勤電車の中で、ふと、いきなりアイデアが浮かんできた、という経験がありませんか?

「素材は突然ひらめくことが多い」というのは、私が3000人以上取材してきた中で、多くのアーティストやクリエイター、経営者などが、みな同じように語っていたことでもありました。

誰もが知る著名なクリエイターが、取材でこんな話を聞かせてくれました。

「アイデアは、デスクの上でウンウンうなって出てくるものではない。むしろ、何かに気を取られているときに、いきなり浮かんでくるものだ」

目の前に紙を広げてもパソコンを開いても、アイデアは出てこない。意識していれば、脳は常に考えているとはよく言われるが、それを直接引っ張り出すことはできないのだ。しかし、何かの拍子に脳が「油断」したとき、頭の奥底にあるアイディアがポロリと出てくるのだと。

要するに、アイデアや文章の「ネタ」を出そうとするときには、「考えつつも他のことに気を取られている状態」を意図的に作ったほうがいい、というのです。

経営者やクリエイターの中には、毎日のようにトレーニングジムに通っている人も少なくありません。ランニングマシンでひたすら汗をかいている人を見て、「わざわざ室内を走らなくても、外でランニングすればいいじゃないか」と思ったことって、ありませんか。

かつては私もそう思っていました。しかしあれは、身体を鍛えたりダイエットをしたり、人的なネットワークを作ったりする、といった理由だけではないようです。

ある別のクリエーターは、「ジムのランニングマシンに乗るときはいつも、マシンにメモ帳を引っかけておくんだよ」と言っていました。

つまり、アイデアを出すために、「別のことに気を取られる状態」を意図的に作るためにジムを活用しているのです。

彼らはジムで何を「考えて」いるのか?

「雑談」でカンタンに
素材を引き出せる

もう1つは、世界的に著名な日本人アーティストの一人を取材したときの話です。

次々と衝撃的な芸術を世に送り出す人たちは、どんなふうにアイデアを作っているのか、興味がありました。きっと孤独な作業なのだろうと思っていました。

ところが、そうではなかった。孤独どころか、複数のスタッフとミーティングをしながらアイデアを生み出すというのです。

丸テーブルにみんなで座って他愛ない話をする。すぐにアイデアなど出てこないし、無理に出そうともしない。あっちに飛んだりこっちに飛んだりと「雑談」しているうちに、ふとしたきっかけがトリガーになって、いきなりアイデアが浮かんでくると言います。

これも、先ほどの「脳を油断させる」「意図的に他のことに気を取られる状態を作る」という話に似ています。脳の奥底にアイデアが眠っていたとしても、それを自分一人で引っ張り出すことは難しい。他人とコミュニケーションをとる中で、それが可能になる。

1の素材を10に増殖させる
「ひとり連想ゲーム」

ただし、この方法だと、自分以外のコミュニケーション相手が必要になります。更新頻度が高いブロガーさんや、今すぐ企画書を書かなければいけない場合など、自分ひとりで素早く「ネタ」を集めたいという人にとってはハードルが高い。

そこで私がやっているのは、一人でブレストすることです。

他人とのコミュニケーションでアイデアが浮かぶということはつまり、相手の思いがけない「言葉」に刺激を受けて、脳からアイデアや情報が引っ張りだされてくるということだと思うのです。

それならば、自分自身で思いがけない言葉を出せれば、同じことができるはず。一人でやる「連想ゲーム」のようなものです。

まずは、何か1つ「素材」を出してみる。
それから、別の素材をもう1つ出してみる。
そうすると、出した素材から、別の素材が浮かんできたりするのです。
もう少し具体的にお伝えしましょう。

(※なお、『超スピード文章術』で定義しているビジネス文章の「素材」とは、「独自の事実」、「エピソード」、「数字」。つまり、読み手に「これを伝えたい」と思う内容そのものを指します)

まず、素材を書き出してメモする段階では、「これは使えないかな?」などと余計なことを考えないで、思いついた順に書き出していけばOKです。

10個~20個くらい素材が集まったとき、ちょっと俯瞰してすべての素材を見直してみてください。すると、「この素材とこっちの素材は、このテーマでまとめられそうだ」とグルーピングできるはずです。

たとえば「家事の知恵」をテーマにした企画書を書くことになったとします。あなたはまず、「家事」を洗い出すために、次のような素材をランダムに集めたとしましょう。

・リビングの片付け
・トイレットペーパーの補充
・食材の買い出し
・洗濯機を回す
・洗濯物を干す
・洗濯物を畳む
・布団を敷く
・朝食を作る
・夕食を作る
・ペットの食事を用意する
・子どもを保育園に送る

……ここまで集めた時点で、ちょっと全体を眺めてみる。
すると、たとえば「時間帯」で分けられることに気づくでしょう。

:朝食を作る、洗濯機を回す、洗濯物を干す、リビングを片付ける、子どもを保育園に送る
:布団を敷く、洗濯物を畳む、食材の買い出し、夕食を作る

時間というくくりで分けてみると、今度はその「時間」をベースにして家事を考えることで、新たな素材を頭の中から引っ張り出しやすくなるのです。

朝なら「ゴミ捨て」もあったな、「米を研いで電子ジャーの炊飯予約」もしてたな。
夜なら「風呂掃除」もあるし「食器洗い」もあったな。そんな具合です。

そうやって、素材から、それをまとめる「枝」を見つけ出し、「枝」をもとに新しい素材を出し、また別の「枝」を見つけられないか考えてみる。

素材としての「葉」と、それをまとめる「枝」を行ったり来たりすることで、自分一人でも、相当な量の素材を集めることができます。

長い文章の構成も
手っ取り早く決まる

この方法は素材集めだけでなく、長い文章を書くときの時間短縮につながります。

書くときになって素材が足りないことに気づき、もう一度素材を集めようとすると、想定外の時間が取られて書くスピードがガクンと落ちます。素材をまとめる「枝」を意識すれば、あらかじめ、そのロスを回避できるのです。

詳細なメソッドは『超スピード文章術』でお伝えしていますが、長い文章を書く場合、素材を束ねる「枝」を作って文章の骨格を用意することが、速く書くための大きなポイントになります。

先ほどの方法で素材を集めると、1つの枝にどれだけの素材が集まるかがわかります。素材がたくさん集まる枝もあれば、思ったより素材が集まらない枝もあったりする。

そこで、素材が少ない枝はカットし、素材が多い枝だけを採用すれば、素材集めの段階から、文章の構成が、ある程度予想できるのです。

なお、文章を書くときに「どんな素材を集めるべきか」、「集めた素材をどう構成すればわかりやすい文章になるのか」という点については、『超スピード文章術』で独自のノウハウを紹介していますので、ぜひご覧になっていただき、使い倒してください。

『10倍速く書ける 超スピード文章術』
著者からのメッセージ

メール、レポート、企画書、プレゼン資料。
PR記事、社内報、営業日報、議事録。
ブログ、メルマガ、SNS……。

ビジネスにおいて、今ほど「書く」ことが求められている時代もありません。あなたの1日の仕事を振り返れば、「書く」ことに多くの時間を費やしているはずです。

ということは、「書くスピード」を速くすれば、必然的に仕事は速くなります。

本書が目指すのは、「わかりやすくて役に立つ文章」です。これまでに「文章の書き方」をテーマにした本を読んで、次のように感じたことはありませんか?

「何冊も読んだけど、文章への苦手意識は消えなかった」
「あなただからできるんだよ! と思うことばかりでマネできなかった」
「やっぱり、文章は才能だ」

そんなふうに感じたことのある人でも、大丈夫です。ビジネスで用いられるほとんどの文章では、「文才」など求められていないからです。

小説家やエッセイストであれば、読み手の心を打つような感動的な表現や文体、誰も予想できない構成や展開を考える才能が必要でしょう。

でも、ビジネスで用いられる文章で伝えるのは、「文章そのものの魅力」ではありません。「読者にとって役に立つ内容」をわかりやすく伝えることができれば、それで十分なのです。

「何を書くか」に集中すれば
文章は10倍速く書ける

私が「書く」仕事をすることになったのは、コピーライターという職業に興味を持ったことがきっかけでした。かけ出しの頃は、300字のコピーを書くのに、丸1日費やしたこともあります。

その後、フリーランスとなり、今のメインの仕事はブックライターです。 ブックライターとは、著者本人に代わって本を書く仕事です。

私が担当する「ビジネス書」は一般的に、1冊10万字前後。
私はその10万字を、平均4〜5日で書き上げます。
毎月1冊ずつ本を書いているので、年間12冊。 多いときは年間14 冊ということもあります。

また、雑誌やインターネットのニュースサイトに連載記事を持っています。こうした記事は、1本3000〜7000字ほどでまとめることが多く、月間10本を超えることもあります。単純計算で月間5万字。本と合計すると、ひと月15万字書いていることになります。

もともと文章が苦手な「遅筆家」だった私が、書くスピードを格段に速く上げることができた理由は、たった1つ「文章の素材」を意識したことです。

素材を意識するとは、「どう書くか」ではなく「何を書くか」に集中するということです。それだけで、今の私のように、書き終えるまでのスピードは10倍速くなります。

本書では、私のライター人生23年間で培った「速く書くノウハウ」を全て詰め込みました。

是非、本書を使い倒し、書くスピードを極限まで高め、仕事の生産性向上に役立ててください。


出典:ダイヤモンド社 書籍オンライン Copyright © 2016 DIAMOND,Inc. All rights reserved.

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

typeメンバーズパークの最新情報をお届けします

著者紹介

  • 上阪徹(Toru Uesaka)

    上阪徹(Toru Uesaka)

    ブックライター。担当した書籍は100冊超。携わった書籍の累計売上は200万部を超える。23年間1度も〆切に遅れることなく、「1か月15万字」「5日で1冊」書き続ける超速筆ライター。1966年兵庫県生まれ。85年兵庫県立豊岡高校卒。89年早稲田大学商学部卒。ワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに雑誌や書籍、webメディアなどで幅広く執筆やインタビューを手がける。これまでの取材人数は3000人超。主な寄稿媒体に『GOETHE』(幻冬舎)、『AERA』(朝日新聞出版)、『週刊現代』(講談社)、『就職ジャーナル』(リクルート)、『リクナビNEXTジャーナル』(リクルート)、『東洋経済ONLINE』(東洋経済新報社)などがある。著書に『書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社)、『職業、ブックライター。』(講談社)、『成功者3000人の言葉』(飛鳥新社)、『リブセンス〈生きる意味〉』(日経BP社)など。インタビュー集に、累計40万部を突破した『プロ論。』シリーズ(徳間書店)、『外資系トップの仕事力』シリーズ(ダイヤモンド社)などがある。

書籍を購入する

  • 10倍速く書ける超スピード文章術

    10倍速く書ける超スピード文章術

    著者:上阪 徹
    出版社:ダイヤモンド社
    定価:1,620円

もっと見る