コラム

2017.09.21

ビジネスで使う文章に「文才」はいらない

「文章が苦手。書いている時間がツラい。メールも企画書もできれば書きたくない…」
「最初の1行を書き出すまでに、ものすごく時間がかかる…」
「文章がうまく伝わらない。しゃべって伝えることはできるのに…」
「書き直しを何度も命じられて、いつまで経っても書き終わらない…」
「数千字のレポートなどは、文字が埋まらなくて苦痛だ…」

そうした文章を書く人の悩みを全て解決する注目の新刊『10倍速く書ける 超スピード文章術』。本連載では、そのエッセンスをたっぷり紹介する。

なぜ、「1日300字」しか書けなかった超遅筆家の著者が、「1時間3000字」「5日で本1冊」の超爆速ライターに変わったのか。メール、企画書、ブログ、レポート、本1冊まで、あれこれ悩まず「とにかく速く書き終える」ための全技術をお伝えしていく。
※こちらの記事は『ダイヤモンド社 書籍オンライン 』の提供コンテンツです。元記事はこちら。

ビジネスで「うまい文章」は求められていない

私は『超スピード文章術』の中で、「文章は、基本的に素材を集めて並べるだけでいい」と書いています。実際に、文章が書けなくて悩んでいる人にそう伝えると、しばしば反論されることがあります。

「そんな無味乾燥な文章でいいの?」
「もっと“読ませる”文章にしないといけないんじゃない?」
「おもしろくなくなるんじゃない?」

平たく言えば、こういうことだと思います。

「うまい文章を書いたほうがいいんじゃないの?」

しかし、この発想こそ、文章に時間がかかる大きな要因になります。
結論から言えば、うまい文章なんて書く必要はありません。
ビジネスパーソンが目指すべきは、「わかりやすくて、読者の役に立つ文章」です。

一瞬で文章を書き終える人は、何をしているのか?

ちなみに、ビジネスで用いられる文章における「素材」とは、次の3つです。

(1)「独自の事実」
(2)「エピソード」
(3)「数字」


つまり、読み手に「これを伝えたい」と思う内容そのものを指します。

「魅力的な素材」は料理しない

私は、「書く仕事」を求人募集のコピーライターから始めましたが、新人時代に誰もがやってしまいがちな、人材募集キャッチコピーの代表例があります。

「当社は、とてもいい会社です」

コピーライターになったとき、真っ先に当時の上司に言われたのが、「わかったようで、わからない言葉を使うな」ということでした。「いい会社」というのは、その典型例です。

その会社は事実として「いい会社」なのかもしれませんが、これでは人は動かないでしょう。「どのようにいい会社なのか?」が伝わらないからです。

では、書かなければいけないことは何でしょうか?

「5年間、社員が1人も辞めていない会社」
「有給休暇を毎年全員が100%消化している会社」
「社長が年度末に金一封をくれる会社」


読者が知りたいのは、そうした「具体的な独自の事実」です。
「いい会社」というのは、そんな魅力的な素材を、書き手が無理やりまとめてしまった「表現」です。

「素材」を「表現」にまとめようとすると、抽象的になる。
抽象的な表現は、読み手に伝わりにくいのです。

この、読み手に伝わらないものを平気で構築できてしまうということが、文章の怖さです。
「なんとなくわかるようで、実はよくわからない」という事態を、簡単に引き起こしてしまう。

しかも、それだけではありません。
無理に「うまい表現」や「魅力的な表現」を書こうとすると、ムダな時間がかかります。

「何か上手な表現はないか?」と、正解のない答えを頭の中から捻り出そうとしているわけですから、「あれじゃない」「これじゃない」と悩んだり、手が止まったりして、なかなか文章が前に進まなくなります。

無理に表現しようとしないでいいのです。独自の事実、エピソード、数字、といった「魅力的な素材」を集めることができたのなら、料理せずそのまま差し出すように書いてあげたほうが、むしろ読み手にはスッと伝わります。そして、表現に悩むよりもずっと速く書くことができます。

『10倍速く書ける 超スピード文章術』
著者からのメッセージ

メール、レポート、企画書、プレゼン資料。
PR記事、社内報、営業日報、議事録。
ブログ、メルマガ、SNS……。

ビジネスにおいて、今ほど「書く」ことが求められている時代もありません。あなたの1日の仕事を振り返れば、「書く」ことに多くの時間を費やしているはずです。

ということは、「書くスピード」を速くすれば、必然的に仕事は速くなります。

本書が目指すのは、「わかりやすくて役に立つ文章」です。これまでに「文章の書き方」をテーマにした本を読んで、次のように感じたことはありませんか?

「何冊も読んだけど、文章への苦手意識は消えなかった」
「あなただからできるんだよ! と思うことばかりでマネできなかった」
「やっぱり、文章は才能だ」

そんなふうに感じたことのある人でも、大丈夫です。ビジネスで用いられるほとんどの文章では、「文才」など求められていないからです。

小説家やエッセイストであれば、読み手の心を打つような感動的な表現や文体、誰も予想できない構成や展開を考える才能が必要でしょう。

でも、ビジネスで用いられる文章で伝えるのは、「文章そのものの魅力」ではありません。「読者にとって役に立つ内容」をわかりやすく伝えることができれば、それで十分なのです。

「何を書くか」に集中すれば
文章は10倍速く書ける

私が「書く」仕事をすることになったのは、コピーライターという職業に興味を持ったことがきっかけでした。かけ出しの頃は、300字のコピーを書くのに、丸1日費やしたこともあります。

その後、フリーランスとなり、今のメインの仕事はブックライターです。 ブックライターとは、著者本人に代わって本を書く仕事です。

私が担当する「ビジネス書」は一般的に、1冊10万字前後。
私はその10万字を、平均4~5日で書き上げます。
毎月1冊ずつ本を書いているので、年間12冊。 多いときは年間14冊ということもあります。

また、雑誌やインターネットのニュースサイトに連載記事を持っています。こうした記事は、1本3000~7000字ほどでまとめることが多く、月間10本を超えることもあります。単純計算で月間5万字。本と合計すると、ひと月15万字書いていることになります。

もともと文章が苦手な「遅筆家」だった私が、書くスピードを格段に速く上げることができた理由は、たった1つ「文章の素材」を意識したことです。

素材を意識するとは、「どう書くか」ではなく「何を書くか」に集中するということです。それだけで、今の私のように、書き終えるまでのスピードは10倍速くなります。

本書では、私のライター人生23年間で培った「速く書くノウハウ」を全て詰め込みました。

是非、本書を使い倒し、書くスピードを極限まで高め、仕事の生産性向上に役立ててください。


出典:ダイヤモンド社 書籍オンライン Copyright © 2016 DIAMOND,Inc. All rights reserved.

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著者紹介

  • 上阪徹(Toru Uesaka)

    上阪徹(Toru Uesaka)

    ブックライター。担当した書籍は100冊超。携わった書籍の累計売上は200万部を超える。23年間1度も〆切に遅れることなく、「1か月15万字」「5日で1冊」書き続ける超速筆ライター。1966年兵庫県生まれ。85年兵庫県立豊岡高校卒。89年早稲田大学商学部卒。ワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに雑誌や書籍、webメディアなどで幅広く執筆やインタビューを手がける。これまでの取材人数は3000人超。主な寄稿媒体に『GOETHE』(幻冬舎)、『AERA』(朝日新聞出版)、『週刊現代』(講談社)、『就職ジャーナル』(リクルート)、『リクナビNEXTジャーナル』(リクルート)、『東洋経済ONLINE』(東洋経済新報社)などがある。著書に『書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社)、『職業、ブックライター。』(講談社)、『成功者3000人の言葉』(飛鳥新社)、『リブセンス〈生きる意味〉』(日経BP社)など。インタビュー集に、累計40万部を突破した『プロ論。』シリーズ(徳間書店)、『外資系トップの仕事力』シリーズ(ダイヤモンド社)などがある。

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