コラム

2017.09.07

予定を狂わす「横入り」仕事、どう向き合えば生産性があがるのか?

突発オーダー、急ぎの問い合わせ、トラブル……予定を狂わせる「横入り」にどう対処すればいいのか? 1人で悩まず反射的に対応せず、チームとしてどう取り組むかについて、ベストセラー『職場の問題地図』で話題の人気業務改善士が生産性向上のヒントを教える。新刊『チームの生産性をあげる。』から一部を紹介。
※こちらの記事は『ダイヤモンド社 書籍オンライン 』の提供コンテンツです。元記事はこちら。

突発オーダー、急ぎの問い合わせ、トラブル、クレーム……私たちを悩ませる「横入り」。「横入り」をナントカするためには、(1)可視化、(2)共有化、(3)向き合い方の3つのステップが大事。今回は、(3)の「向き合い方」について解説します((1)可視化は第13回、(2)共有化は第14回を参照してください)。

なお、情報システム(IT)の運用の世界では「横入り」を「インシデント」と呼んでいます。ここから先、IT業界に倣って横入りの仕事をインシデントと呼ぶことにします。
「インシデント=本来の仕事の流れを阻害する(可能性含む)邪魔者」という意味です。

時には逃げる判断も大事
「たたかう」「にげる」「ぼうぎょ」「じゅもん」「どうぐ」

●ステップ(3)向き合い方
コンピュータのロールプレイングゲームでおなじみのコマンド。この発想は、インシデントとの向き合い方を決めるために大変役立ちます。

すべてのインシデントと真面目に戦っていたらキリがありません。ときには捨てる、何もしないなど逃げの選択肢も大事。インシデントが発生したら、いきなり取り組むのではなく、まずは向き合い方を決めましょう。

・【たたかう】対応する
・【にげる】断る、やらない
・【ぼうぎょ】保留にする、時がたつのを待つ
・【じゅもん】効率化を検討する(例:ルーチン化、マニュアル化)
・【どうぐ】ツール、システム、社内外の知識や過去の経験を活用する


「どうぐ」は積極的に活用したいものです。とりわけ、社内にすでにある知識や経験の再発見と利活用。これは、問題解決のスピードと社内コミュニケーションの両方を高めます(そのためには「既視感」の醸成がやはり大事)。

最近では、社内SNSやグループウェアを活用する事例も増えてきました。NTTデータでは、“Nexti”(ネクスティ)という社内SNSが、社員同士の助け合いと知識のつながりを後押ししています。Nextiの開設は2006年4月。10年以上続いている、SNSの成功事例です。グループ会社にも拡大展開し、2017年3月時点で33社が参加。ユーザ数は1万5000名に及びます。

「お客様にグローバル認証基盤の提案を求められています。どなたか知見のある方はいらっしゃらないでしょうか? または紹介いただけないでしょうか?」

このように、困りごとを投稿すると、同じNTTデータグループ会社の社員が「私、経験があります」「知り合いを紹介します」と声を上げて助けてくれます。

NTTデータのNexti推進部隊の担当者、竹倉氏(第二金融事業本部 金融ソリューション事業部 担当部長)はこう語ります。

「組織のナレッジマネジメントには大きく(1)ストック型と(2)フロー型の2種類があります。(1)ストック型は組織としてチェック済みの正しい情報、様式、フレームワーク等の『正答』そのものを時間とコストをかけて整理・格納するのに対して、(2)フロー型では現場の社員同士が『リアルタイム』に回答を寄せ合うのが特徴で、『正答』そのものではなく、『正答』を知っている人にたどり着くための情報(Know-who情報)が共有されるケースも散見されます。

いままで企業では(1)ストック型のナレッジマネジメントの仕組みづくりを中心に取り組んできましたが、(2)フロー型の仕組みはまだ発展途上です。社員が困ったときにNexti のようなフラットでオープンな場で組織の壁を越えて気軽に質問したり回答したりすることができる仕組みや風土づくりは、企業の生産性を向上させる切り札の1つだと感じています」

「わからないことは、社内の誰かに聞く」

この仕掛け作りも大事。社内の人と知識、すなわち「どうぐ」を積極的に活用できるようにしたいものです。横入りの仕事。突発の仕事。すなわちインシデント。すべて戦っていたら(そして毎回ゼロから考えていたら)、生産性はいつまでたってもあがりません。

まずは、「向き合い方」を決めましょう。あらかじめチームで話し合って決めておければベスト。あるいは新たなインシデントが発生した都度、またはインシデント会議でリーダーやメンバー同士が、話し合って決めましょう。ロールプレイングゲームのごとく、パーティー(チーム)の一体感も生まれます。1人で悩まない。1人で反射的に対応しない。これが大事です。

なお、さらに詳しいインシデントへの向き合い方や実践事例については、新刊『チームの生産性をあげる。』で詳しく紹介していますので、ご関心のある方はぜひ書籍をお買い求めください。

(この原稿は書籍『チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)


出典:ダイヤモンド社 書籍オンライン Copyright © 2016 DIAMOND,Inc. All rights reserved.

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