コラム

2017.08.25

「積極的で仕事ができる人」と「積極的でも仕事ができない人」の違い

外資系コンサルティングファームのマネジャーであり、月間20万PV超のビジネスブログ「Outward Matrix」の運営者でもある20代の若手コンサルタントShin氏の処女作『コピー1枚すらとれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』が発売となる。本書のタイトルにあるように、もともとド落ちこぼれだったShin氏(落ちこぼれ時代のエピソードは、連載第1回をご参考ください)。彼はいったいどうやって、たった1年で外資系コンサルティングファームのマネジャーにまで上り詰めたのか――。急成長を遂げる過程で、考えたこと、学んだこと、そして実践してきたノウハウについて、Shin氏に教えていただいた。
※こちらの記事は『ダイヤモンド社 書籍オンライン 』の提供コンテンツです。元記事はこちら。

「積極的で仕事ができる人」がやっていること

落ちこぼれ時代のぼくには、歳も出身大学も同じ同期がいました。スペックが似ている彼は、どうしてもぼくの比較対象になってしまう存在でした。そして、ぼくがクライアントと話す機会すらもらえなかったのを尻目に、彼はどんどんそうした機会を得て、結果を出していきました。

「重要なクライアントとのミーティングでプレゼンを行う」「定期的に行われる評価で、最高評価を得る」「あるプロジェクトでは、チームリーダーとして全体をまとめる」……。ぼくが苦しんでいる間に、彼はそのような輝かしい成果を次々に出していったのです。

なぜ、そのような差が出ているかは明らかでした。その原因は「主体性」です。主体性を持っていきいきと働く彼には多くのチャンスが舞い込み、いつも指示待ちで積極的なコミュニケーションを取れないぼくは、クライアントとのミーティングにすら参加させてもらえなかったのです。この状況を変えるには、「主体性」を身につける以外に道はありませんでした。

しかし、そもそも主体性とは何か、ぼくには正直よくわかりませんでした。「積極的な態度」という理解は間違いないのでしょうが、ただ単に積極的なだけでは「空回りしている奴」「仕事はできないけど、やる気だけはある奴」という評価にしかつながりません。「仕事ができる」と評価される積極的な態度とは何か――。それを考えたとき、ぼくはある結論に行き着きました。

それは、仕事に価値を付け加えられているかどうかです。ぼくとできる同期の違いもまさしくこれでした。たとえば、「打ち合わせスペースを押さえる」というシンプルな仕事ですらその差は如実に現れていました。ぼくは言われた通りに打ち合わせスペースを押さえるだけですが、彼は打ち合わせの目的に合わせたスペースのみならず、そのために必要な備品の準備も提案するなど、与えられた仕事に新たな価値を加えていたのです。

ほかにも、「データをエクセルにキレイにまとめておいて」と言われたら、言われた通りにキレイにまとめるだけでなく、そのエクセルの使用用途に合った気の利いた項目や機能を付け加えたり、エクセル以外の目的に合った必要な資料を提案したり……こうしたちょっとした仕事での違いが積み重なり、彼とぼくとの間には圧倒的な差がついていたのです。

振られた仕事に「新たな価値」を加えるために必要なこと

では、この差を生み出している要因はいったい何なのでしょうか。なぜ同期は、仕事にどんどん新たな価値を付け加えられるのか。できる同期を必死に観察していると、とてもシンプルな理由が浮かび上がってきました。それは、仕事の「目的」を確認できているかどうかです。できる同期は、ことあるごとに振られた仕事の目的を確認していました。

上司「○○くん、明日の14時から会議室を押さえておいて」
できる同期「かしこまりました。ところで、何の打ち合わせでしょうか?」
上司「クライアントへの振り返り報告だ」
できる同期「それであれば、広めの会議室でプロジェクターも準備しておきますね」
上司「サンキュー(あいつ、気が利くな)」

たった一言です。打ち合わせの「目的」を聞けているから、それに合わせたスペースや指示以外の必要な備品が思いつきます。エクセルの「使用目的」が聞けているから、その目的に合った項目や機能を追加したり、それ以外に必要な資料の提案もできます。振られた仕事の目的を聞く。たったそれだけで、彼は仕事に新たな価値を生み出し、上司の評価を上げていたのです。

これに気づいたぼくは、自分にひとつだけ約束をしました。それは、仕事を振られたとき、「はい、わかりました」と言って作業に移る前に、一言だけ“ある言葉”を追加することです。それは、「このタスク(仕事)の目的は何でしょう?」という一言です。これを付け加えることだけを徹底したのです。

これを徹底することで、ぼくは与えられた仕事以外の必要なタスクなどを提案できるようになりました。目的を聞くことで、そのタスクの本質をつかみ、上司の指示に新たな価値を加えることができるようになったのです。さらに、常に「目的は何だろうか?」と考え続けることで、無駄な遠回りをすることがなくなり、上司とも本質的な議論ができるようになりました。もちろん、周りからの評価は劇的に上がりました。

「あいつは気が利く。クライアントへの提案のために、競合企業の状況について有識者にインタビューしてほしいと頼んだら、今後の業界のトレンド予測やその理由についてまで掘り下げて情報を持ってきてくれた」「○○業界の分析のためにA社の資料を用意してくれと言ったら、競合のB社、C社の分まで調べてくれたよ」

「一生懸命だけど、戦力とは言いがたいよね」と言われていたぼくでしたが、常に目的を考えて動く姿勢を貫いたことで、周りからどんどん信頼されるようになったのです。結果、メンバーを数人つけたプロジェクトを進める立場に選んでもらったり、クライアントとの重要なミーティングでプレゼンを任せてもらったりするようになりました。そしてその年、ぼくは最高の評価をもらうことができたのです。もちろんこれだけが要因ではないでしょうが、「目的は何だろうか?」と自問自答し続け、上司に確認し続けたことが、その大きな理由のひとつであったことは間違いありません。

「仕事の目的を考える」。これを意識するだけで、評価はまったく変わってくるのです。


出典:ダイヤモンド社 書籍オンライン Copyright © 2016 DIAMOND,Inc. All rights reserved.

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