コラム

2017.07.20

売れる商品・サービスには、必ず「4つの特徴」が存在する

「売れる」と「売れない」の違いとは何か? 売れる商品・サービスには「おもしろそう!」「こんなのがほしかった!」を形づくる4つの要素がある。人の心を動かす究極のメソッドを、新刊『どうすれば、売れるのか?』から一部を抜粋して紹介。
※こちらの記事は『ダイヤモンド社 書籍オンライン 』の提供コンテンツです。元記事はこちら。

売れるコンテンツの4つの特徴

今回は「売れるコンテンツ」とは何なのか、売れるコンテンツにはどういう要素があるのかを具体的に解説していきます。

売れるコンテンツとは、「あ、これおもしろそう!」「こんなのがほしかった!」と言ってもらえるコンテンツです。それはみなさんに同意していただけると思います。

ですが、これだけではあまり意味がありません。大事なのは、「おもしろそう」「ほしかった」が、どんな要素で構成されているかを知ることです。

どういう要素を満たせば「おもしろそう」と思ってもらえるのか、「こんなのがほしかった」と思ってもらえるのか、です。それがわからなければいけませんね。「おもしろいと言ってもらえる商品を企画しなさい」と上から指示をしても、どう考えればそれが達成されるのかがわからなければ意味がないです。

ぼくは、長い間、本を作ってきました。本はそのまま“コンテンツ”です。売れる本と売れない本の違いを数多く分析することで、その“おもしろそう”の要素を見つけることができました。それが次の4つです。

コンテンツが“おもしろそう”“それほしい!”と言ってもらえるようになるには、4つの要素が必要です。それは、

(1)ベネフィット
(2)資格
(3)目新しさ
(4)納得感

です。
商品は、お客さんにお金を出して買ってもらうものです。そのために前提となるのが「(1)ベネフィット」「(2)資格」です。これが前提です。この二つがなければ、お金をもらう商品・サービスとして成立しません。

そしてその上で、より魅力的、よりおもしろい、より「それほしい!」と思ってもらえるようになるために「(3)目新しさ」「(4)納得感」が必要なのです。

これらは、ぼくが出版社の経営者として、著者として20年試行錯誤してきた結果、たどり着いた要素です。それぞれについてこれから詳しく解説していきます。

【POINT 1】ベネフィット
あなたが望む状態に変えるものとは?

商品・サービスにお金を出してもらうための、一番の前提条件は「それがベネフィットを持つかどうか」です。ベネフィットがあるものでなければ、お客さんにお金を払ってもらうことはできません。

このベネフィットという言葉は、日本語で「便益」とか「利便性」と訳されることが多いです。ただ、これでは結局どういうことなのかよくわかりません。なので、ぼくは別の定義をしています。

ぼくの“ベネフィット”の定義は、

「Aだった人を、本人が望んでいるBにさせること」です。

Aの状態だった人を、望んでいるBの状態にすることが「ベネフィット」です。つまり、「ベネフィット」とは、変化(A→Bの変化)のことなのです。

そのため、どんなに便利に使えても、いくらデザインが良くても、いくら性能が良くても、その人が望んでいる「B」の状態に連れて行けないのであれば、それはベネフィットを持ちません。

その商品を買ったら、そのサービスを受けたら、その本を読んだら、「今の私が、“なりたかった私”になれるかも!」「なりたかった気分になれるかも!」と思えば、そのコンテンツはベネフィットを持ちます。逆に、いくら質が良くても、いくら安くても、相手が望む変化を提供できなければ、「ベネフィット」はありません。

「変化こそがベネフィット」という理解をしているだけで、コンテンツの打ち出し方が大きく変わります。

ここ数年流行っているライザップのテレビCMは、とてもわかりやすくベネフィットを表現していますね。ライザップに通うと、“ぜい肉たっぷりの身体”が“引き締まったいい身体”になるということが一目瞭然です。

CMで明言されているわけではありませんが、「今のあなたが、望んでいる体型を手に入れられます」というメッセージを明確に発信しています。だからあれほどまでに注目を集めているのです。

これがベネフィットです。「Aだったあなたが、(あなたが望んでいる)Bになる」。これが売れるコンテンツに欠かせないメッセージなのです。

先ほど、NG例として「主語が自分になっていると売れない」と紹介しました。多くのスポーツクラブが、「自分」を主語にした広告、ポスターを作っています。「当スポーツクラブはプール完備です! 最新のマシンを導入! 丁寧な接客です! きれいなスタジオで、駅から近いです!」などなど。スポーツクラブとしての質が問題なのではありません。ベネフィット(相手がどう変化するか)を伝えていないのが問題なのです。

ベネフィットをつくる“不”の発想

先ほど定義したようにベネフィットとは、「Aだった人を、(あなたが望んでいる)Bの状態にすること」です。この変化がポイントです。変化がなければベネフィットは生まれません。目に見えない気分的な変化であっても構いません。とにかく「変化」が大事です。

ただし、「こういう変化を提供しますよ」と伝えた時、お客さんから「自分ひとりでできるから、大丈夫です」と言われてしまうこともあります。先ほどの「空腹を満たす」というニーズはその一例ですね。相手が望んでいる変化だったとしても、相手があなたを必要としていなければ、そのコンテンツ(その商品・サービス)は買ってもらえません。

では、どういう時に「あなた」が必要になるのでしょうか? それは、相手が自分ひとりでは「B」の状態になれない時、つまり、何らかのハードルがあって、「やりたいけど、できない。でもやりたい」という時なのです。やりたいけどできないことがあり、「私だったら、それをできるようにしてあげますよ」と言ったとしたら、相手は確実に興味を持ちます。

これこそ、強く求められるコンテンツを作る考え方なのです。ぼくはこの視点をリクルート社で学びました。リクルート社では、ビジネスを作る時に、「自分たちに何ができるか」の前に、「世の中にどういう“不”があるか」を考えます。“不”とは、リクルート内で使われている言葉で、不満・不安・不足・不便・不快・不都合などの総称です。

消費者は、どんな不満を抱えているか?
消費者は、どんな不安を抱えて生活しているか?
消費者は、どんな不快な思いをしているか?
どんな不便を感じているか?

「世の中にどんな“不”があるか」を考えることが、リクルート社内で事業を考える時の基盤になっています。たとえば、就活生が会社に応募する時の不便、企業が思うように学生に自社をアピールできない不満を解消したのが「リクナビ」でした。

花嫁さんが「ベストな結婚式場を探せない」という不満、「自分が選んだ式場が一番良かったのかがわからない」という不安を解消しているのが「ゼクシィ」です。

提供者目線で、「もっとこうしたらいい」ではなく、あくまでも相手が「これができていない」「これができなくて不満がたまっている」というポイントをリクルート社が解決しています。だから、リクルート社のビジネスは「いつまでも強い」のです。

リクルート社は何をしている会社なのか?をひと言で表すのは難しいです。リクルート社は○○の会社という定義をすることが難しい会社なんです。「リクルート領域(人材ビジネス、結婚・不動産など)」という言葉はありますが、リクルート社はこういうビジネスをしている会社と表現しづらいです。

富士フイルム社は「写真の会社」、サイバーエージェント社は「インターネットの会社」です。でも、リクルート社はそういう定義には収まりません。リクルート社は「世の中の“不”を解消する会社」なのです。

誤解を恐れずに言うと、リクルート社では「自分たちがやりたいこと」、「自分たちができること」は二の次として考えています。だから、何か新しいビジネスを立ち上げる時にも「リクルート社が得意なことを活用して、何かやろう」という発想はあまり出てきません。

もちろん、リクルート社がまったくできなさそうなビジネスプランは検討さないでしょう。でも、リクルート社ができるかどうかよりも、世の中の“不”が先に考えられているのは事実です。それがなければビジネスにならないということがリクルート社の考え方なのです。

そして、その“不”を解決することで、ベネフィットが生まれます。世の中の不満や不安、不便を解消するということは、「不満だった人が、満足する」「不安を感じていた人が、感じなくなる」「不便だったものを、便利にする」という変化を生んでいるということです。これがベネフィットですね。

そして、不満・不安・不便は、誰もが解消してもらいたいと思っているものですから、“不”を解消することは、確実に相手から求められることです。“不”を解決することこそが、強いベネフィットを生み、強いコンテンツ、さらには強いビジネスをつくるのです。

「私はこんな技術を持っています」「この商品はこんな素材でできています」「このような商品は世界でこれしかありません」と言う代わりに、リクルート社では「あなたがやりたくてもできなかったことを、リクルート社ができるようにします」と伝えています。この発想こそがリクルート社の強いビジネスを生み出しているのです。

4つの要素の(2)資格、(3)目新しさ、(4)納得感についての解説と、(1)ベネフィットを含めた実際のコンテンツの作り方については、新刊『どうすれば、売れるのか?』で詳しく書いています。商品開発からコンテンツ制作、マーケティング、PR、集客まで、あらゆるビジネスで役に立つ、人の心を動かす究極のメソッドです。ご興味のある方はぜひお買い求めください。


出典:ダイヤモンド社 書籍オンライン Copyright © 2016 DIAMOND,Inc. All rights reserved.

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著者紹介

  • 木暮太一(こぐれ・たいち)

    木暮太一(こぐれ・たいち)

    作家、一般社団法人 教育コミュニケーション協会 代表理事
    慶應義塾大学経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。説明能力と、言語化能力に定評があり、大学時代に自作した経済学の解説本が学内で爆発的にヒット。現在も経済学部の必読書としてロングセラーに。相手の目線に立った伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から好評を博し、現在では、企業・団体向けに「説明力養成講座」を実施している。フジテレビ「とくダネ!」レギュラーコメンテーター、NHK「ニッポンのジレンマ」などメディア出演多数。『「自分の言葉」で人を動かす』『カイジ「命より重い!」お金の話』『今までで一番やさしい経済の教科書』など著書多数、累計150万部。

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    出版社:ダイヤモンド社
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