コラム

2017.06.22

キャリアは「決める」ものではなく、「偶然」を掴み取るもの

AIの台頭や一層のグローバル化、就活の地殻変動などの影響で到来する「仕事が消滅する時代」。本連載では、藤原和博氏の最新刊『10年後、君に仕事はあるのか?』の内容をもとに、「高校生に語りかける形式」で2020年代の近未来の姿や、未来を生き抜くための「雇われる力」の身につけ方などをお伝えしていく。今回は連載第7回目、テーマは「人生設計」。
※こちらの記事は『ダイヤモンド社 書籍オンライン 』の提供コンテンツです。元記事はこちら。

キャリアは「決める」ものではなく、「偶然」を掴み取るもの

人生は出会い頭の事故から始まる

意外に聞こえるかもしれませんが、人生をあらかじめ設計しようとしてもうまくいくものではありません。99%が偶然の出会いによって起こると言っても過言ではないでしょう。

人との出会いには限りません。物事との出会い、ちょっとした経験、偶然置かれた環境……そうしたものに影響されて、人生はどんどんズレていくものなんです。

野球のイチロー選手やサッカーの香川真司選手、あるいはフィギュアスケートの羽生結弦選手や卓球の福原愛選手のような、まっすぐな人生を歩める人は稀です。

逆に言えば、9割以上の人は運命づけられていない人生を歩みます。

最初に入社した会社で、ある程度人生が決定されたのは、親の世代まででした。君たちは、どんどんズレていっていいんです。

成功する人のキャリアも偶然によって形成される

成功した人物がよくインタビューを受けて、自分の人生を振り返ることがあります。小さい頃にこういうところに連れて行ってもらったとか、おばあちゃんが何度もこういうことを言っていたとか、この本に影響を受けたとか。

もちろん、それぞれの心温まるエピソードは嘘ではないと思います。ですが、それらはやはり、成功者が改めて過去を振り返って記憶をたぐり寄せ、再編集した物語なんです。「小さい頃からおままごとが好きだった」+「おばあちゃんから入学祝いにエプロンをプレゼントされた」+「家庭科の先生に教わったカレーのレシピが忘れられない」……とくれば必ず、レストランのシェフとして成功した人に結びつくように思えてしまいますよね。

実際、自分がオーナー・シェフとして人気店を構えた成功者はそのように語るかもしれない。

でも、その3つの経験をした人は1万人いるかもしれません。そのうち、料理業界に入った人は多くても10%。ましてや店を持つまでに成功する人は1%以下だと断言できます。

つまり、みんな偶然に支配されて生きているんだけれども、改めてインタビューされて記事にまとめるときには、一本筋が通っていたほうがわかりやすいから、筋が通った物語にしているのだと考えたほうがいい。書籍に書くときは、この傾向はもっと強くなります。一本筋が通っていないとじつに読みにくくなるからです。

だから、成功者が語る過去のエピソードを聞いて、自分も同じことを経験すればそのようになれるとは信じないでください。君が生きる時代とは、タイミングも、チャンスも、技術も、環境も、みんな違うんですから。


出典:ダイヤモンド社 書籍オンライン Copyright © 2016 DIAMOND,Inc. All rights reserved.

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  • 10年後、君に仕事はあるのか?

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    著者:藤原 和博
    出版社:ダイヤモンド社
    定価:1,512円

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