コラム

2017.06.02

「対人の悩み」をスッキリさせるカーネギーの名著をマンガで読んでみた

仕事に疲れたとき。またはキャリア形成に悩んだとき。あなたはどのような方法で、その疲れや悩みを解消していますか。解消しきれず、少しずつ積み重ねてしまってはいませんか。

だいたいにおいて、人の悩みの大半を占めるものは「対人関係」です。仕事上の上司や同僚、部下も然り。取引先やお客様も然り。プライベートでも友人、恋人、家族など、人と関わらないで過ごす時間は少ないですよね。

ならば、対人関係をうまくするノウハウを学べば、悩みの多くは減るのではないでしょうか。そのような考えから書かれた本が、いまや古典ともいえる『人を動かす』(D・カーネギー)です。

この本。名前は聞いたことあっても、古そうだし長そうだしで、読んだことのない人は多いかもしれません。けれどやっぱり古典だけあって、書かれていることを理解すれば、悩みの解消には役立ちますし、悩みも軽くなるのです。

読まないともったいないけれど、読むのはハードルが高い…そんな人に向けて、今回は、まんが版の『人を動かす』をご紹介します。後述しますが、同著者のこれまた名著『道は開ける』もついている(2冊が1冊にまとめられている)お得なまんがです。

「対人の悩み」をスッキリさせるカーネギーの名著をマンガで読んでみた

デール・カーネギーの代表作が、これほどに売れる理由とは

『人を動かす』と『道は開ける』は、いずれも自己啓発の大家デール・カーネギーの代表作。それぞれ、「対人術」と「メンタルトレーニング」について書かれた本です。

どちらの本も世界各国で翻訳され、発刊から80年以上も経った今も愛され続けるという、年代も国も超えて通用しつづける内容です。『人を動かす』は日本だけでも500万部を、『道は開ける』は300万部を超えるベストセラーとなっています。(2017年5月現在)

ところで、なぜこれらの本は、これほどまでに売れ続けているでしょう。それは、扱っている内容が普遍的なものであり、冒頭でも述べたように「人の悩み」についての処方箋となっているからです。人の悩みのほとんどが場面は変われど「対人」に関するものであり、あるいは自己をみつめて変えることで乗り越えられるものだからでしょう。

いつの時代になっても対人関係、そして自分の悩みに向き合う解決方法は、求められ続けているのです。

今回はこの漫画『まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「『道は開ける」』(以下、「まんがでわかる」)の一部を引用しながら、デール・カーネギーの対人術の秘訣を3つご紹介します。

こんな時どうする?【人を動かす基本とは】

上司が自分の提案を受け入れてくれない。部下がこちらの指示通りに動かない。社内の他部門がなかなか協力してくれない。顧客が納得してくれない.......。仕事のうえで、このような状況に直面することはありませんか? このとき、いったいどうしたら相手は自分の思うように動いてくれるのでしょうか。

いくら自分が正しかったとしても、正論をぶつけるだけでは相手の反発心を招くだけです。すなわち、正論をぶつけるというコミュニケーションのやり方がよくないのです。『人を動かす』では、「人を非難する代わりに、相手を理解するように努めなさい」と勧めます。「人は誰でも、自分を認めてほしいと思っている」ので、そのポイントをまず聞き出し、うまく相手のニーズを満たすことで、結果として相手を動かしていくべきなのです。


本作「まんがでわかる」の主人公こずえも、仕事上で相手を言い負かしたい状況に直面します。新しく始めた置屋の仕事で、客前にも関わらず、先輩芸者の明里に意図的ないじわるをされてしまうのです。そのことに腹を立てて食ってかかろうとするこずえですが、そこで別の先輩芸者の小いちが声をかけます。小いちは、相手に行動を変えてほしいのならば、正論を押し付けて責めるのではなく、相手を理解するべきだ、とこずえに話すのです。

『まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「『道は開ける」』 出典:『まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「『道は開ける」』

仕事上でのミスやプライベートでの喧嘩などで重要なことは、責めるのではなく相手を理解すること。そして、そのためにコミュニケーションをすることだと諭す小いち。人は誰しも承認欲求を持っており、それを満たす工夫をしながら話すことによって、結果として、自分の目的とするゴールにたどり着けるのだと語ります。

それを聞いたこずえは、想像します。先輩芸者の明里は「どうして自分にそんないじわるをしたのだろうか」と。責めるのではなく、相手を理解してみることで、「自分より若い新人が入ってきたことが面白くなかったのではないか」と思い至った彼女は、次に、「ではどうすれば明里に可愛がってもらえたのか」を考えるのです。

明里に可愛がってもらえるように自分が接し方を変えることで、明里の自尊心は満たされ、結果として明里の行動は変わるでしょう。自分の願いを相手に押しつけることはむしろその願いを遠ざけることになりますが、逆にまず「相手のために」と考えることが、実は、自分の願い通りに相手に動いてもらう近道なのです。

こんな時どうする?【信頼関係を築くためには】

社内の人と連携して仕事をするにせよ、社外の人と折衝をするにせよ、信頼関係を築くことが仕事の成否を分けるものです。しかし、それは分かっていたとしても、いったいどうすれば信頼関係は築けるのでしょうか。

「自分に好意を抱いてもらうには、それなりに方法がある」とカーネギーは言います。「適切な態度や行動で示すことによって、はじめて相手も心を開いてくれるようになる」わけです。では、好意を自然に表現し、相手の好意を得る秘訣とはどんなものでしょうか。


お座敷のお仕事に少しずつ慣れてきたこずえは、若いサラリーマンと話がはずみます。しかし、お客さんが帰った後に姐さんと女将さんから「どんな人だったのか」と聞かれてまったく答えられないこずえ。ふたりから、お客様を楽しませるという本来の目的にかなった行動をしていたのか、と聞かれてしまいます。

『まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「『道は開ける」』02 出典:『まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「『道は開ける」』

相手に関心をもつことこそが相手の心を開き、信頼関係を築く第一歩になるのだと教える小いち。更に彼女は、人に好かれるための6つの原則について話します。その上で、それらの原則をただ機械的に覚えるのではなく、「その人に重要感を感じさせる」ようになるのが目的だと続けるのです。

どの話もいわゆる人心掌握術という少し大仰なものではなく、相手のためを思うデール・カーネギーならではのハートフルな人生訓です。「心からやること」が重要だと繰り返し言われるので、読んでいる方も何だか素直に実践したくなる内容になっています。

近年の企業研究によると、仕事ができる人ほど、同僚や上司部下だけでなく会社の他部署の人や取引先、顧客などの情報を細かく把握しているようです。相手を知ることで何を誰に頼ればよいのかわかるからという理由もありますが、それ以上に、相手のことを知りたいと思い情報収集するそのプロセス自体が信頼関係を築くことにつながり、その信頼感がよい成果を生むのでしょう。

特に、この「人に好かれる」行動の価値が目に見えるのは、新しい仕事に就いた時でしょう。異動で配属が変わった、新規のプロジェクトに配属された、転職や出向で職場環境が大きく変わった......など。新しい仕事に就く機会は、社会人生活において多いものです。そのとき、まっ先に「自分がやるべき仕事において、誰が顧客で、どんな価値を提供しているのかを把握する」ことができる人とそうでない人、あるいは「さらに視野を広げて、会社全体の中の自部署、自部署の中の自分……という役割の連鎖性を把握する」ことができる人とそうでない人では、その後の働きやすさや成果に違いがでることは容易に想像できるでしょう。

このように、相手を知り信頼関係を築くことは多大な成果を生むものですが、とるべき行動はすごくシンプルです。「心から相手に興味をもつ」こと。このまんがのように、日々意識をしてみることが大切です。

こんな時どうする?【そもそも悩みとは】

人生には悩みがつきもの。悩まない人はいないと言ってもいいでしょう。残業しても仕事が終わらない、がんばりが思うように実績につながらない、家庭と仕事との両立が難しい......など。仕事上での悩みはつきません。

けれど、悩みに支配される人生はつまらないものです。どうすれば、なるべく悩まずに生きられるのでしょうか。

カーネギー著の『道は開ける』には、その答えが記されています。「まんがでわかる」の前半は『人を動かす』の内容が記されていましたが、後半は『道は開ける』の内容になっています。つまり、悩みの原因や解消についてふれられているのです。


こずえは芸子の仕事に夢中になるあまり、つい学校での勉強がおろそかになっていました。何とかしなければと思うものの、部活もバイトも休みたくないし、周囲にも迷惑をかけたくない。どうすればいいかと悩んでいるときに、お客さんから仕事ができる人みんながやっているコツというものを伝授してもらいます。

『まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「『道は開ける」』03 出典:『まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「『道は開ける」』

仕事ができる人のコツとは、「問題点は何か?」「問題の原因は何か?」「どんな解決策ががあるのか?」を丁寧に書きだすこと。この行為によって、やるべきこと(すなわちToDo)が見えてくるといいます。

この助言を実現し、ひとつずつ問題解決につながる小さな行動を積み重ねるようになったこずえは、悩むだけでただただ時間をすごすことがなくなります。そして悩みだったものが、やるべきことという具体的なものになったおかげで、ストレスから解放されるのです。


漠然とした不安が精神的にストレスになり、ただ何もできずに時間だけが経つということを経験した人もいるのではないでしょうか。このとき、その漠然とした不安を「悩む」だけで終えてしまうのではなく、「超えられる(小さな)ハードル」に分解して、また、ある程度距離を置いて捉えることで、精神的にもスッキリすることができるのです。そして小さな行動を積み重ねることによって、自分でも知らず知らずのうちに、悩みの元を解決してしまうのです。

「ToDoリストを作成し、こなしていく」という行為自体は、よく知られた方法論でしょう。しかし、なぜその方法を使うべきなのか、どうして役に立つのかという本質的な部分が解説されているのが本書の特徴です。まんがを読み進めるうちに、自然と腑に落ちて、実践したくなるような内容です。

不安を抱える人こそ、このまんがを応用して、小さな実践をしてみてはいかがでしょうか。

早速デール・カーネギーの教えを実践してみませんか?

まんがでわかる D・カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」

まんがでわかる D・カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」

著者:藤屋 伸二 監修/nev イラスト
出版社:宝島社
定価:777円

この他にも、「相手と自分でウィンウィンの交渉をするための方法」や「人の個性の伸ばし方」、「悩みの減らし方」に「フィジカルとメンタルを鍛える方法」など、公私ともども使える考え方がこのまんがには満載です。分かりやすいストーリーなので、あっという間にデール・カーネギーのエッセンスを体感することができます。

気軽に読めるのに深い内容ばかり。明日から自分の行動を変えてみたくなるワクワクするような1冊を読んでみませんか?
文/honto編集部

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    著者:藤屋 伸二 監修/nev イラスト
    出版社:宝島社
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