コラム

2017.03.24

突然、部長からサシでランチに誘われた――。上司と二人だけの場面での「成功法則」とは?

突然、上司からランチや飲みに誘われる。心の準備もできていないし、何を話したらいいかわからず緊張する――。ビジネスパーソンならば、一度は経験する場面ではないでしょうか。キーパーソンである上司からの急な誘い。「アクティブ リスニング」の視点から、二人だけの場面での「成功法則」について考えてみます。

突然の上司からの誘い

心の準備もなく、突然上司からランチや飲みに誘われる。
職場以外の場所で話すことが初めてだったり、長時間話したことがない上司の誘いは、誰でも緊張するものです。
相手が普段はあまり話す機会のない上司や、職位の高い人であれば尚更です。
ただ、こういう機会は、少なくとも1時間以上、時間を共にしますので、日頃できない相談をしたり、聞きたいことを聞いたり、自分自身をアピールする絶好のチャンスでもあります。
しかし、実際は緊張するし、何を話せばいいのかわからない、こんな人も多いのではないでしょうか。仕事場では、ビジネスをする上での必要最小限のことだけを話していればよいのですが、ランチや飲みといった場所ではそういうわけにはいきません。こんな場面で、いかにその場を有意義なものにし、上司との関係をさらに円滑にするにはどうしたらいいのでしょうか。
私が10年以上にわたるTVキャスター人生の中で作り上げたコミュニケーション・メソッド「アクティブ リスニング」の観点からみてみましょう。

上司の「目的」を考える

まず、二人で腰を据えて話す場所に行く前に、最初にしておきたいのは、今回上司が自分を誘ってきた「意味」を考えるということです。
ただ、親睦を深めたいと思っているのか、何か頼みごとがあるのか、上司の意向や会社の方針を伝えたいと思っているのか、はたまた、自分から何かを引き出したいと思っているのか。
声をかけてきた時のタイミングや、会社の環境などを鑑みて、一番の「目的」を自分なりに探ってみます。その「目的」にあった回答や振る舞いをするよう心がけることによって、この後の二人だけの時間を効率的に、効果的に使うことができます。

自分の「目的」をつくる

上司の「目的」がわかったら、今度はあえて自分自身の「目的」を考えてみましょう。それは、上司の「目的」に沿うものでなくても構いません。たとえば、上司にもっと自分のやる気を伝えてみたい、普段から抱えている仕事の悩みを聞いてもらいたい、今後も目をかけてもらえるよう好感を持ってもらいたい、なんでもよいのです。
この自分の「目的」をつくることで、受動的なコミュニケーションから、より主体的、能動的なコミュニケーションになるはずです。

聞き役に徹する

自身の「目的」を明らかにしたからといって、それを果たすために自身をアピールしすぎたり、自分のことだけを話すというのは大変勿体ない行為です。なぜなら、確かにあなた自身のことは相手に知ってもらえるかもしれませんが、あなたよりもビジネス経験も仕事上の知識も高い人にとって、一聞には値するかもしれない内容であっても、長い時間を割いて聞き入ってもらうというのは難しいし、相手も苦痛でしょう。
また、人は基本的に「自分の意見を聞いてもらいたい」と思うようです。
ですから、まずは聞き役になって、相手に気持ち良く話してもらう。それによって、相手の満足度を高めてもらうのです。結果、あなたに対する印象もよいものに変わるはずです。

自分のアピールは「質問」の中に

聞き役に徹するということは、自身の言いたいことは一つも言えないのかといったらそうではありません。聞き役であっても話の主導権を握ることはできるのです。具体的には、自分の言いたいこと、アピールしたいことは「質問」の中に入れて、相手に答えをもらうという形にします。
たとえば、こんな風にです。
「私は海外経験がないので、いつか海外で勤務してみたいと考えているのですが、どんな勉強や準備をしておけばいいでしょうか」
「前回、部長のお力によって営業で好成績をおさめさせていただきました。継続していい成績をとるために、私に足りないところはありますか」
といったようにです。
これにより、気持ち良く上司に話してもらいながら、自分自身のことも嫌味なく相手に知ってもらうことができます。

「素」をさらけ出す

仕事以外で上司と共にするランチや飲みの席は、とても大切な第二の自己アピール時間です。
ですので、仕事中と変わらぬビジネスライクな態度で臨むのも重要ですが、せっかくなので自身の魅力の多面性を知ってもらうのもいいでしょう。
新たな魅力を出すという意味では、たとえば、ギャップを見せるというのもひとつです。上司から「こんな面もあったのか」と、これまで査定されていた能力や人柄にいい意味で幅を広げることができます。
また、素を出すのも有効です。
素を出したら低く評価されるのではと危惧すると思いますが、効果は逆です。素を出すということで、相手には、嘘偽りなく自分を開示できているという安心感や信頼感を伝えることができます。また、素を出せるくらいのリラックスムードというのは、緊張感を解き、心地よい空気感を醸成するだけでなく、より深い会話ができたりする効用もあるのです。

お礼のフォローだけでは足りない

上司とのランチや飲み会の時間が終わっても、それで終了ではありません。
むしろ、そこからが重要です。
お礼のフォローを直接、さらにメールや後日改めてすることは当然のことですが、共有した時間をより効果的に使うために、その時間中に話されたことや、アドバイスなどをきちんとフォローするのです。
たとえば、「先日教えていただいた本、早速買って読んでみました」「教えていただいたこと、メモにまとめて後輩にも伝えました」「改めて部の方針がよくわかりました。それで、こんな提案を思いついたのですが…」などと次へつながるフォローをするのです。


出典:ダイヤモンド社 書籍オンライン Copyright © 2016 DIAMOND,Inc. All rights reserved.

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著者紹介

  • 谷本 有香(たにもと・ゆか)

    谷本 有香(たにもと・ゆか)

    経済キャスター/ジャーナリスト/コメンテーター
    大学卒業後、山一證券に入社、社内の経済キャスターに抜擢されるが、会社が自主廃業となり、フリーランスキャスターの道に。フリーの世界で仕事をさせて頂くために、試行錯誤しながら見出したのがこの「アクティブ リスニング」。この技術に出合ってからは、十数年にわたって経済キャスターの第一線で活動し、日経CNBCでは初めての女性コメンテーターに抜擢される。トニー・ブレア元英首相、マイケル・サンデル ハーバード大教授、著名投資家のジム・ロジャーズ氏などの独占インタビューをはじめ、世界のVIPへのインタビューは1000名を超える。BloombergTV、日経CNBCなどを経て、現在はフリーで国内外の著名人インタビューや、金融・経済セミナーのモデレーター、Huffington Post、TABI LABO等でコラムなどを手掛ける。また、テレビ朝日『サンデースクランブル』ゲストコメンテーターとして不定期出演中。2015年4月から、日経CNBC『夜エクスプレス』アンカー

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