コラム

2016.12.27

【前編】人生を変える「夜の○○の習慣」って?ハーバードの研究でわかった人生必勝法

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人生を変える「夜の○○の習慣」って?ハーバードの研究でわかった人生必勝法

毎晩の「コレ」を始めると、人生のすべてがうまく回りだす

イノベーターはまわりの世界を見回す際、何が欠けているのかを探すことが多い。けれども、自らの人生について問うときは、「鑑賞的探求」〔対象の価値を認めたうえで疑問を抱く方法〕の視点から、そこに何が「ない」かだけでなく、そこに何が「ある」のかを探すことも重要だ。

鑑賞的探求が前提としている主な条件は、「ポジティブな疑問」だ。問題や欠点ばかりに焦点を当てるのでなく、強みや資産に注目すると効果的な結果が出やすい。

強みに立脚するとは、日々の暮らしの中でうまく機能していることに着目し、それに頼り、そこから多くのものを得ようとすることだ。これが重要なのは、自問自答を続けていくと、ともすると不満や後悔、無力感にとらわれがちになるからだ。

「なぜ、自分にはもっとお金が、もっと良い仕事がないのだろう。もっと多くの友人がいないのだろう……」といった具合だ。足りないものや欠けているものは進歩や改善の機会にもなり得るが、このような問いは悲観的な感情を生みやすい。

「人は希望があると感じ、環境が味方してくれていると実感できるときに積極的な行動を取ることが多い」と、鑑賞的探求の生みの親であるデイビッド・クーパーライダーは指摘している。

幸福に関する研究者で、ハーバード大学で教鞭を執ったタル・ベン・シャハーは、「感謝の習慣をつけることが重要」だと考えている。ベン・シャハーによると、毎日、一日の終わりに「自分は何に感謝できるだろう?」と考え、その答えを「感謝ノート」に書き記すと、それだけで人は「幸せな気持ち、楽観的な気持ちになり、何事もうまくいきやすく、目標を達成しやすくなる」。

なぜ、ハンサムで大金持ちでも幸せになれない?

これについては、映画制作者のロコ・ベリックも同じ考えを持っている。ベリックは「感謝は幸せへの近道」と考えている。彼は自らの問いの答えを探すべく、何年もかけて世界中を歩き回った。その問いとは、「なぜ、一部の人は他の人より幸せなのだろう?」、そして「人はいまより幸せになることができるだろうか?」というものだ。

その答えは、ベリックが撮ったドキュメンタリー映画「HAPPY」に見ることができるが、彼の重要な発見を一つ挙げると、「家族や友人、コミュニティの一員であるという意識や、趣味に興じたり新しいことを学んだりして得られる単純な喜びなど、基本的なことに価値を置き、大事にしている人のほうが幸せを感じている傾向がずっと強い」ということだ。


 幸せに関するベリックの疑問は、映画をつくる前から少しずつ醸成されてきたものだ。最初の「なぜ?」は18歳のときだった。モザンビークの内戦で難民になった人たちのために資金を集めようと、グループでアフリカ旅行をした際のことだ。「難民たちは相当な被害を受けていました」とベリックは言う。

「ところが私たちが現地に到着すると、だれも惨めな顔もせず、怒ってもいませんでした。みな生きる喜びに目を輝かせ、ボールペンを目にしたり手品を見たりといったほんの小さなことに大喜びしてくれました。そこには、私の多くの友人たちが置き忘れてきてしまったような、純粋な感情の爆発がありました」

ベリックの疑問は次のようなものだった。

「なぜ、ほとんど持ち物もなくとてつもない苦しみを背負った人たちが、もっと幸運な人たちよりも幸せそうなのだろう?」

その後何年も経ち、ベリックがハリウッドで働いているとき、同じような疑問を抱いた友人がいた。ハリウッドの映画監督、トム・シャドヤックだ。

「アメリカ人は比較的豊かな生活を送っているのに、経済的に貧しい国の人たちよりもなぜか幸せを感じていない」という新聞記事をシャドヤックは読んでいた。「それで、トムは言ったのです。『これは個人的にもよくわかる。僕のまわりにも、才能があってルックスもよく、運に恵まれ、健康な映画スターたちがいっぱいいるけど、うちの庭を管理してくれている庭師のほうが幸せなんだ』と」。これを聞いて、ベリックには新しい疑問が浮かんだ。

「美しく、才能に恵まれ、お金のある映画スターでも幸せでないのなら、いったいどうなれば幸せなのだろう?」

成功しても「とくに幸せにならないこと」をひたすらがんばっている

彼とシャドヤックは、二人で映画をつくって答えを探すことにした。そのためにベリックはインド、アフリカ、中国の貧困地域を含む世界のあちこちをまわった。旅を通じてわかったのは、どんな環境であれ、最も幸せな人たちは「コミュニティとの連帯感」を持っているということだった。

「これは、すごく社交的になったり、大量に友だちをつくらないかぎり幸せになれない、ということではありません」。とはいえ、事実、彼が出会った最も幸せな人たちは、周囲の人たちと強い連帯感を持っていた。「彼らは声をたてて笑い、愛する人たちのそばにいることを心から楽しんでいました」

幸せであることと、強い人間関係との結びつきは驚くべき新発見というわけではない。だが、ベリックは指摘する。「私たちの多くは、友人たちと時間を過ごすより――ほとんどの場合、大きな家に住み、素晴らしい車や素敵な洋服を買うために――カネ儲けに多くの時間を使っています」

また、「『自分にとって重要なことは何だろう?』といったシンプルな問いを考えるだけで、自分が本当は、ライフスタイルにもう少し価値観を反映させて、幸福度を高められるような生活のシフトチェンジをしたいと思っていることに気づけるはず」とベリックは考えている。

ベリックは自身の生活を振り返ってみて、彼自身、友人と過ごしたり、本当に楽しいと感じられるようなことに十分に時間を使っていないことに気づいた。

「私はいつも、歳を取ったら友だちともっと会いたい、もっと遊びたい、もっともっと冒険に出たい、と思っていました。けれども30歳になるころには、親友と会えるのは一年に一度か二度ぐらいになっていました。私は責任感のある大人として仕事に没頭しようとしていました。『子どもは遊び、大人は働くもの』という考え方を受け入れていました。サーフィンをやめた理由はいろいろありますが、こうした考え方もその一つです。友だちとサーフィンを楽しむのは大好きだったのですが」

映画制作を通じて学んだ教訓をもとに、ベリックは自分が人間的なつながりをどう強められるか、そして生活の中でシンプルな喜びをどう高められるかを追求したくなった。そして親しい友人の一人とサーフィンを再開した。


ベリックの自問はほかにも変化を引き起こした。たとえば、「近所の人たちのことをもっと知るべきではないだろうか?」と思い始めた。

ベリックは、映画のための取材を通じて、最も幸せなコミュニティでは「だれもがお互いのことをよく知っている」ことを知ったが、彼の住むウェストコースト近郊の人たちは快適な自宅に閉じこもりがちだった。

「どうすれば、アフリカやインドの小さな村で経験したようなコミュニティの感覚や連帯感を抱けるだろう?」

ロサンゼルスの高級トレーラーハウスが集まるエリアに住んでいる友人を訪ねたとき、彼はすぐに自分の家を引き払ってそこに引っ越した。そのハウスはフロントドアが共有地に向かって開いていて、近所の人たちがお互いに関わり合わざるを得ないようになっていた。

>>【後編】人生を変える「夜の○○の習慣」って?ハーバードの研究でわかった人生必勝法


出典:ダイヤモンド社 書籍オンライン Copyright © 2016 DIAMOND,Inc. All rights reserved.

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