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2016.11.29

改めて、コンテンツマーケティングを考える入門書3冊

近内健晃(マーケター)

皆様はコンテンツマーケティングという言葉を聞いたことはありますでしょうか? マーケティング関係の仕事をされている方はもちろん、それ以外の方でも聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。ただ、「コンテンツマーケティングって何でしょう?」と聞かれたらどう答えますか? 「ブログ」「バズるコンテンツ」「SEO」など、様々な答えが出てくるかもしれません。ただ、果たして本当にそうなのでしょうか? 今回は、改めてコンテンツマーケティングを考える書籍をご紹介したいと思います。

改めて、コンテンツマーケティングを考える入門書3冊

コンテンツマーケティングの本質とは?

Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書

Webコンテンツマーケティング サイトを成功に導く現場の教科書

著者:株式会社日本SPセンター
出版社:エムディエヌコーポレーション
定価:2,160円

そもそも、コンテンツマーケティングとは何なのでしょうか? ブログ? バズるコンテンツ? それともSEOのこと? 実際にそのような営業を受けたり、そのような記事を読まれたりした方もいらっしゃるのではないかと思います。でも、果たして本当にそうなのでしょうか?

著者が書籍の中で挙げている、アメリカのコンテンツマーケティングインスティチュートの定義を引用すると、「コンテンツマーケティングとは、適切で価値ある一貫したコンテンツを作り、それを伝達することにフォーカスした、戦略的なマーケティングの考え方である。見込客として明確に定義された読者を引き寄せ、関係性を維持し、最終的には利益に結び付く行動を促すことを目的とする。」とのこと。

つまり、コンテンツマーケティングとは、ブログや特定のメディアに縛られた手法でもないですし、どんな内容でも良いというものでもありません。「明確に定義された見込客にとって、適切であり、価値があり、一貫性を備えたコンテンツであること」が求められるという点がポイントです。ただバズるような面白いコンテンツを作れば良いかというと決してそうでもないのです。また、SEOもその結果であって目的ではありません。

最新のデジタルマーケティング技術が普及してから、本来は手段であるはずの技術にばかり注目が集まり、肝心なコンテンツへの取り組み(誰に、何を、いつ、どのようにして伝えていくのか?)が疎かになってしまいがち。そのような現状を踏まえ、コンテンツの大切さを再認識し、より重視してマーケティングを取り組んでいくのがコンテンツマーケティングの本質だと著者は指摘しています。言い換えるならば、「特定の相手にとって価値あるコンテンツを起点に、これまで確立されてきたあらゆるマーケティング手法を統合して目的実現を果たすために不可欠な視点」と言うことができるのではないでしょうか。

本著では、コンテンツマーケティングの戦略をいかに立てていくか? どのようにコンテンツを企画するか? コンテンツを広めるためにどうすればいいのか? コンテンツのチューニングなど、基本的な考え方やステップが具体例を挙げつつとてもわかりやすくまとめられています。これからコンテンツマーケティングに取り組もうとされている方はもちろん、すでに取り組んでいる方にとっても自分の取り組みを見直すヒントや気づきが多く散りばめられています。

コンテンツの内容だけでなく、コンテンツが掲載されるWebサイト全体の設計も重要!

IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術

IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術

著者:坂本 貴史
出版社:ワークスコーポレーション
定価:3,024円

コンテンツマーケティングというと、コンテンツの中身のみ(ページ単体)にスポットが当たってしまいがち。もちろん、それも大切ですが、コンテンツを届けたい相手にいかにコンテンツを見つけやすくするか? という視点も忘れてはなりません。

「見つけやすい」というとSEOを連想する方も多いですが、コンテンツが掲載されている媒体(Webサイトなど)に相手がたどり着いた後、いかに必要とする情報にアクセスしやすくするかという視点も大切です(結果的にSEOにも影響があります)。そのために不可欠なのが、IA。Webサイトが軸になるケースが多いので、今回はそちらにフォーカスした書籍をご紹介します。

IAとは、「情報アーキテクチャ(簡単にいうと最終デザインの元になるWebサイト全体の設計図を作るプロセス)」か「インフォメーションアーキテクト(情報アーキテクチャを行う人)」のどちらかを一般的には指します。情報アーキテクチャはとても重要な工程ですし、インフォメーションアーキテクトはWebサイト等を作る上で本来重要な役割です。ただ、見えにくい工程であるため軽視されがちであること、そして教育を受ける機会が限られているため専門家が少ないことを著者は問題点として指摘しています。そこで、著者はIAを「スキル」として捉え、Web構築に関わるすべての人が身につけるべきものとして、その普及に努めています。

IAの本質は情報の「探しやすさ/見つけやすさ」だという著者。そのために必要な視点や知識を伝えていますが、一方で知識はあっても実務に結び付かないケースが多いと問題意識をもたれています。知識を知識で終わらせずに実務で使えるようにするために「IA的に考えるトレーニング」が重要。そのように考え、演習や解説に多くのページを割いていることも本著の特徴です。

本著には、Webサイトの構造を考える上で不可欠な情報の分類方法やサイト内メニューの最適化、サイト構造に必要な考え方、ナビゲーションの考え方、サイト訪問者の文脈(何を考え、どのような気持ちでコンテンツを閲覧しているかなど)を捉えたサイト設計、ワイヤーフレームの設計方法等、実務で取り組む内容がしっかり盛り込まれています。

初めての方には少し難しいかもしれませんが、演習で考え、自分の場合に落とし込むことを繰り返すことで、理解が深まっていくのではないでしょうか。

Webサイトの構成についても具体的に解説している珍しい書籍。

いちばんやさしい新しいSEOの教本 人気講師が教える検索に強いサイトの作り方

いちばんやさしい新しいSEOの教本 人気講師が教える検索に強いサイトの作り方

著者:安川 洋、江沢 真紀、村山 佑介
出版社:インプレスジャパン
定価:1,706円

コンテンツマーケティングは新しいSEO手法では決してないですが、検索エンジン上でいかに適切な人に適切なタイミングでコンテンツを発見してもらうかということも大切であることは間違いありません。そこで、最後にSEO関連の入門書をご紹介します。

SEOの最新事情についてはインターネット上で信頼性が高いメディアから情報を集めていただくとして(本質的な要素を除き、本に掲載されている情報はどうしても古くなってしまうので)、書籍では検索エンジンの仕組みや必要な視点、ステップなどベースとなる部分を学ぶと良いのではないでしょうか。もし掲載されている情報が適切か否か、判断に迷うことがあれば、自分が扱う情報を探している人にとって書籍に書かれていることをするのが本当にプラスになるのか? と考えてみることをお勧めします。

Googleをはじめとする検索エンジンは、情報を探している人によりマッチする情報を検索結果で提示しようと日々技術を向上させています。いわば、情報を必要とする適切な人に、適切な情報を、適切なタイミングで届けるためのパートナーと捉えた方がいいのではないかと私は思います。以前は検索エンジンの仕組みを利用して “検索エンジンをだます手法”が横行して一定の成果も上げていましたが、技術の進歩に伴って成果につながらなくなってきていますし、ペナルティも受けます。そのような手法は避けるべきです。あくまでも、情報を探している人にとっていかに価値ある情報を届けるか、それを実現しようとする検索エンジンにいかに自分のサイトがそうであることをまっとうな方法で認識してもらうようにするかを考えた方が建設的です。

SEOについてまとめた書籍では大体どの書籍でも同じようなことが書かれていますが、本著の特徴は他の書籍より具体的に「サイト構成」に言及していること。情報を探している人だけでなく、そのような人に適切な検索結果を表示させようとする検索エンジンにとっても構成は大切です。それは、Webサイトやサイト内に掲載されているコンテンツ群のテーマをより明確に伝えやすくなるため(つまり、「このサイトやコンテンツ群は、○○について詳しくまとめたものなのだ」ということを認識してもらいやすくなるということ)。

すべては網羅していないものの、業種別に例を挙げながらポイントを解説しているので、自身のWebサイトの設計をどうするか考える際に、参考になるのではないでしょうか。

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推薦者紹介

  • 近内健晃

    近内健晃

    人材サービス、広告代理業を経て、現在は事業会社のマーケティング(戦略立案~実行の全プロセス)を担う。自身でNPOの問題解決支援を行う団体も設立。これまで35社45事業部以上、非営利団体100団体以上にマーケティング支援/相談業務を実施。営業・広報・マーケティングをいかに有機的に結び付け組織内外に対して価値を提供していくかに取り組む。

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    出版社:ワークスコーポレーション
    定価:3,024円

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    出版社:インプレスジャパン
    定価:1,706円

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