あの人の推薦書籍

2016.11.15

人生をスッキリさせるための「捨てる」技術

keisuke asai(編集者)

生きているとさまざまな悩みや壁にぶつかることがありますよね。仕事もプライベートも、何事も思い悩んだら一度リフレッシュして、リセットすることが大事。そんなわけで、今回は心身ともにリセット・リフレッシュさせるのに最適な本を紹介します。

人生をスッキリさせるための「捨てる」技術

大掃除をしたつもりになっているあなたに

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

著者:近藤 麻理恵
出版社:サンマーク出版
定価:1,512円

掃除や片付けが好き! という人はそう多くはないはず。日頃は掃除なんて嫌々するものなのに、なぜか試験や何かの〆切の前などに限って、はかどってしまうもの。

まずは、2016年1月に英語版が全米で1位になり、日本でも再度話題になったこんまりさんの『人生がときめく片付けの魔法』から紹介しましょう。大ヒット作ですし、テレビでも度々紹介されていましたので、なんとなく知っているという人も多いと思います。大掃除で片付けたはずの部屋が元通り、という方、必読です。

こんまり流の片付けのポイントはとても簡単。ポイントをまとめると、
①何を捨てるのではなく、何を残すかを考える。
②コツコツ片付けるのではなく、一気に短期に捨てる。
③場所別ではなくモノ別に片付ける。
④一か所に集めて、見て触って判断する。
⑤残すかどうかのポイントは「ときめく」かどうか。
あたりでしょうか。

モノ別ということや一ヶ所に集めることなどもなるほど、と思うのですが、それ以外にも「捨てられない」と思ったときの心構えなどにも触れられているところが、この本が大きく支持された理由でしょう。それに加えて、この本は「モノを捨てる」という事例をつかって、人生で必要な取捨選択の際にどうすればよいのかということも伝えてくれるような気がします。

この本の最後で触れられていますが、「片付けは人生の目的ではなく、・・・(中略)・・・あなたが心底ときめく使命を見つけるために、片付けが大いに役立つことを声を大にしていいたい。」

そう、片付けるのは目的ではなくてあくまで手段なのです。

歪みと正し、身体と向き合おう

朝3分の寝たまま操体法

朝3分の寝たまま操体法

著者:西本 直
出版社:講談社
定価:843円

これからのシーズン、寒い日が続いていきます。気温が低いとどうしても身体が縮こまりがち。ましてや、毎日パソコンで長時間労働していれば、肩や腰が痛くなり、整体やマッサージなどのお世話になることも。

2冊目に紹介する『朝3分の寝たまま操体法』の著者の西本さんは、パーソナルトレーナーなどをされている方。数年前に、Jリーグの川崎フロンターレのトレーニングコーチになったときに、サッカー好きの間ではちょっとした話題になりました。

冒頭で、当時広島カープで怪我によりもう復活しないとまで言われていた佐々岡真司投手と西本さんとの出会いが書かれています。西本さんがトレーナーとしてフォームの改造まで携わったといいます。「身体といかに向き合うか」ということの大事さがひしひしと伝わってきます。そんな西本さんが、訴えるのは、歪みがすべての元凶だということ。

例えば、肩こりや腰の痛み。マッサージや整体を受けていてもそうですが、痛いところをほぐすだけではそれは対処療法に過ぎず、すぐに痛みが再発してしまいます。また、その痛いところが悪いのではなく、身体全体がどこか歪んでいて、それが痛みとして表れているのかもしれません。そのためには、自分の身体の状況を把握する必要があります。

いくつか具体的に簡単なエクササイズも紹介されています。例えば、肩こりをほぐすための肩甲骨の操体法、そのほか骨格と筋肉の歪みを整える操体法など、本当に「布団のなかでできる」簡単なものが紹介されています。

ここでのポイントは、その操体法を通じて、自分の身体の状況を知ること。そして、「気持ちいい」方に身体を動かすこと。かくいう自分も整体通い歴早8年なのですが、これを続けると、身体の歪みや、今日はどこに変調があるのかなどが、(徐々にではありますが)分かるようになり、それとともに少しずつ身体も楽になります。

タイトルからすると、ヨガなどのエクササイズや高齢者向けの体操の本という印象を持たれがちですが、身体としっかり向き合うことの大切さに紙幅を多く割いています。操体法のエクササイズそのものも、それが万病に効く薬というわけではありません。「痛みは身体からのメッセージ」という、西本さんのメッセージの通り、自分の身体と向き合ってみると、案外遠回りのように見えても、それが健康への一番の道なのかもしれません。

考える方法についてまとめた古典的名作

思考の整理学

思考の整理学

著者:外山 滋比古
出版社:筑摩書房
定価:562円

ここまで、身の回りのリセットに関するものと、身体をリセットするものを紹介しました。ここからの3冊は頭や心をスッキリさせるものを紹介したいと思います。まずは、有名どころですが、外山滋比古さんの『思考の整理学』。頭のなかを整理するためのヒントを与えてくれます。

アイディア術、メモ術、手帳やノート術など、年末から年度末にかけて手帳など文房具のアップデートにともなって、その手のたぐいの本を読む機会もあるのではないでしょうか。この本は、メモ術、アイディア術、そして頭のなかを整理するための技術について、「グライダー人間」「朝飯前の理論」「醗酵・寝させる」「カクテル」「エディターシップ」「セレンディピティ」「メタ・ノート」「三上・三中」など、魅力的なキーワードとともに軽やかに述べられています。

例えば、アイディアについて触れている項では、「醗酵」「寝させる」ことの重要性が強調されています。確かに、考え詰めるよりは、思い切って寝て次の朝考える方が、スッキリと考えがまとまることも多いですもんね。

「どうして『一晩寝て』からいい考えが浮ぶのか、よくわからない。ただ、どうやら、問題から答が出るまでには時間がかかるということらしい。その間、ずっと考え続けていてはかえってよろしくない。しばらくそっとしておく。すると、考えが凝固する。それには夜寝ている時間がいいのであろう。」(本書p.38より)

この考え方をもとにしたノート術も書かれています。まず、①一次情報として気になったことをとにかくメモし、②そのなかで重要なものを別のノートに書き写し(=二次情報)、③さらにこの二次情報のいくつかを寝かせた上で、何らかのテーマで括り整理する(=メタ・ノート)。

しかし、寝かせるということは、そのなかで無駄がそぎ落とされることでもあります。本書の中でも「思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である」(p.127)と書かれています。そう、『人生がときめく片付けの魔法』でも触れましたが、いかに捨てるか、取捨選択するかということが大事だということにつながるのではないでしょうか。

怒りを貯めずに心をスッキリ!

もう、怒らない

もう、怒らない

著者:小池 龍之介
出版社:幻冬舎
定価:494円

頭のなかをいかに整理できたとしても、なかなかコントロールできないのが、怒り。

次に紹介する『もう、怒らない』は、月読寺などで有名な僧侶・小池龍之介さんの著書。怒りは二大煩悩ともいえる「迷い」と「欲望」によって生まれているという話から、「怒り」を生み出す心のしくみについてそのメカニズムを解説した後で、瞑想や禅など仏教の考え方をもとにいかにそれを静めるかということが書かれています。

「怒りの感情は、電気ショックのような強い刺激を心に与え・・・(中略)・・・そのあいだ、それ以前に感じていた諸々の嫌なことやストレスが麻痺させられます。」(p.56より)

「すなわち、他人の言葉や口調に腹が立ってきたら、その怒りの中身を即座にカギカッコに入れ、≪「あんな言い方しやがって!」・・・・・・と思っている≫と心の中で念じるのです。」(p.72より)

「今この瞬間、この本を持っている手の感覚に心をぴったりと寄り添わせてみてください。今、手はここにある。こんな感覚が生じている。・・・(中略)・・・そのようなリアルな感覚を意識すると、心が体に一致していくのが感じられるようになります。それに伴って、頭のなかの雑念もスーッと静まってゆきます。」(p.137より)

どうでしょう。通勤電車で混んでいてイライラ、上司の発言にイライラ、仕事が終わらない自分にイライラ、とストレスの多い毎日で、些細なことにカチンときたら、ここで触れられていることを少し実践してみたいものですね。

いろいろな煩悩をスッキリ!

なやんでもいいよとブッタは、いった。

なやんでもいいよとブッタは、いった。

著者:小泉 吉宏
出版社:KADOKAWA/メディアファクトリー
定価:950円

最後に紹介するのも、メンタル系の本。気持ちを落ち着かせたいときに、オススメな一冊です。この本は元々『ブッタとシッタカブッタ』としてシリーズ化されていたものを、1冊に凝縮させたダイジェスト版。

仕事や恋などに思い悩む、迷える豚のシッタカブッタとそれに答えるブッタとの問答集ともいえる四コママンガです。ブッダではなく豚のブッタさま。ちょっと、シュールですが、シッタカブッタのジタバタする姿を笑いながらも、幸福や悩みなどの真理に気づかされます。

物事の考え方にはクセがあるという観点から、悩める豚たちが登場します。

「幸福は山の上で、不幸は谷の底。不幸になりたくなくって、シッタカブッタは谷を埋めようとしていた。 あれー、幸福も不幸もなくなっちゃった・・・」(p.61より)

「ボクたちは比べて見ることしかできないみたいだ・・・」(p.62より)

途中でさりげなく登場してくるブッタさまの突っ込みをへて、少しずつ成長していくシッタカブッタの姿も見ることが出来ます。

「逃げても逃げても苦しみから逃げ切れないのは、あたりまえのことだよ。なにしろ、追いかけてくる苦しみって自分自身なんだから。苦しみと向き合うのは自分と向き合うことなんだ。」(p.53より)

悩みの根本にあるのは何か、そして、それに対してどうすれば良いのかを、シッタカブッタの姿を見ながら、これを読んでいる自分に照らし合わせることになるでしょう。

「意識の焦点をしぼらないで 意識を頭の中から外へ 世界や宇宙 人生全体へと広げていくと 心はおだやかになっていく 意識を広げてものをみること それは「そのまんま」をみること」(p.106より)

「そうだ! 幸せは時間をかけて「なる」ものじゃない。」(p.125より)

「あたりまえのことを あたりまえと思うにも 覚悟が必要なんだ」(p.135より)

自我を捨て、そのままのすべてを受け入れるというのは、とてもシンプルだけどなかなかできないなこと。「そのまんまでいいんだよ」というブッタさまの言葉が胸にしみます。

いかがでしたでしょうか。身の回りを片付ける、頭や心の整理などさまざまな方法がありましたが、これを元に自分なりのリセット・リフレッシュ方法を探ってみるのもいいかもしれませんね。

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推薦者紹介

  • keisuke asai

    keisuke asai

    出版界の主流を対岸から眺めるサラリーマン編集者。日頃担当しているものが書店に並ばない特殊な本なので、「本とは?」「出版社の役割って?」といったことを考え、いろいろな集まりに顔を出していたら、ホンシェルジェで執筆をすることに。人様に見せる文章を書くようになって、「なかなか書けない人」の苦悩が身にしみる今日この頃。出版関係勉強会「でるべんの会」代表。

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    著者:近藤 麻理恵
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    著者:外山 滋比古
    出版社:筑摩書房
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    もう、怒らない

    著者:小池 龍之介
    出版社:幻冬舎
    定価:494円

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    著者:小泉 吉宏
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