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2017.05.30

2010年代のビジネス書ベストセラーから選ぶ「キャリア形成に役立つ」必読本10冊

良書はその金額や分量に比して、とても多くの価値をもたらしてくれます。とはいえ現在、年間8万点以上もの書籍が新刊として発売されており、そのうちビジネス書と呼ばれるジャンルだけでも5千点以上の数。月あたりで数えても400点以上もある中から良書を探し出すのは難しいですよね。
そこで今回は、「キャリア形成に役立つ」をテーマに、2010年から2017年の現在まで約8年弱に発売されたビジネス書の中から、若手ビジネスマン必読のベストセラーを10冊セレクトしてみました。
「キャリア形成に役立つ」と言ってもそのやり方はフェーズや悩みによってさまざま。今回はそれらを5つのポイントに分けておすすめの本を紹介していきます。

2010年代のビジネス書ベストセラーから選ぶ「キャリア形成に役立つ」必読本10冊

【ポイントⅠ】 悩みを明確にする

「何かもやもやする」と感じていても、自分が何で悩んでいるのかをきちんと把握できている人はほとんどいないもの。まずは、「自分の悩みが何に関することなのか」を見つめられる本をチェックしましょう。

本書は、発売が2013年末にも関わらず、2015年度のビジネス書部門の売り上げ1位となり、2017年の現在、累計発行部数は141万部を超えるミリオンセラー。アドラー心理学に基づいて悩みを深く掘り下げており、「悩みの本質」を明らかにする本です。

悩みの本質と解決法を知る「哲人」の下に、悩みを抱えた「青年」が訪れます。2人の対話形式で進む本書は、扱っているテーマは哲学的な内容でありながら、難しい知識を押しつけることなく読みやすいのも特徴です。

本当の悩み、悩みの本質を明らかにする秘訣は、自分にとことん向き合うことです。しかしそう言われても、どのように向き合ったらいいかを知らない人も多いもの。その点で本書は、読み進めるだけで、読者に代わって「青年」が「どういうこと?」「なぜ?」と質問しつづけてくれるので、自ずと疑問点が氷解していくことでしょう。

「悩みを明確にする」という観点からもう1冊おすすめしたいのがこの本。25万部以上売れている本書は、著者が息子の成人に際し、自分が20歳の時に知っておきたかったことのリストをまとめた1冊です。

スタンフォード大学で行われた授業内容がベースとなっているこの本を読めば、多くの人が社会に出ると悩むだろうポイントをあらかじめ、著者の経験の振り返りとともにチェックすることができてしまいます。

人は知らず知らずのうちに、自分でも気づかない思考の制約に縛られているものです。本書では、さまざまな例を通してそんな思考の制約から自由になる思考の柔軟性を持つことの重要性を教えてくれます。

タイトルには「20歳のときに」とありますが、20歳以外の方が読んでも納得できるベストセラーです。

【ポイントⅡ】 お金のリテラシーを磨く

「お給料や年収をアップしたい」、「転職や起業にはいくら必要?」などキャリア形成にはお金にまつわる悩みはつきもの。お金のリテラシーは、なるべく若いうちに、正しく身につけておきたいところです。

ファイナンスリテラシーを高める本は、古典のなかに良い本が数多くありますが、2010年以降のベストセラーから選ぶとするならば、本書が最もわかりやすいのではないでしょうか。20万部を超えるベストセラーになっています。

構成は「お金のド素人」である編集者が「お金のプロ」である経済評論家に聞くというもの。お金の話の本となると、さまざまな制度の紹介や法律の紹介にふれがちで難解な文章になりがちなのですが、二人の会話がベースになっているので、読みやすく理解しやすくなっています。

定期預金はした方が良いのか? 投資信託は? 保険への加入は損なのか? 確定拠出年金の仕組みと使い方は? このような、お金に関する様々な疑問に答えてくれるので、なんだか漠然とお金に関して悩みがあるという人にこそ読んでほしい一冊です。

【ポイントⅢ】 自分を変える

次にご紹介するのは、お金以外の悩みの解決に役立つ本たちです。どんな悩みがあるにせよ、解決するには何かしらを「変化させる」ことが必要。自分の考え方や習慣を変えたいと思ったときに読んでほしい、「自分を変える」方法を記した本をここではご紹介します。

本書は実際にハーバード大学で行われ、受講希望者が殺到したという「ポジティブ心理学」の授業をもとにつくられた自己啓発の本で、これまで13万部以上売れています。

目次に並ぶ言葉は、「感謝する」「習慣化する」「運動をする」「仕事への考え方を変える」など、あたり前のことばかり。一見平凡に見えてしまいますが、心理学に基づく啓発書として、それぞれの行動が必要な理由を科学的に分析しているのが本書の面白い特徴です。

1項目ごとに独立し、短いページ数でまとめられているので、気軽に、読みたいところから読めるのが良いところ。人生のときどきに自分に必要な個所を見直す「座右の書」としての使い方が適しているかもしれません。

なお本書の最後には、全52項目の中から自分にとって特に重要だと思うところを抜き出し、「私は○○をします」と宣言するワークまでついています。ワークに導かれるままに実践していけば、ひとつひとつの行動を身につけることができ、いつの間にか自分を変えるきっかけをつかめていることでしょう。

自分を変えることとは、あらゆる「習慣」を変えることです。すなわち、習慣を変えていけば、自分が変わります。ではどうしたら習慣を変えられるのか。その視点に解を示した本として、もはや古典ともいえる『7つの習慣』はおすすめの1冊です。

原著はなかなかハードルが高いと思われるので今回勧める本は、『7つの習慣』をマンガ仕立てにした『まんがでわかる7つの習慣』です。いまやビジネス書の新定番となりつつある「ビジネスマンガ」の先がけともいえる大ヒットを記録した本で、シリーズ累計124万部を突破しています。

ストーリーは、バーで修業する主人公・歩が、マスターや客たちと触れ合いながらバーテンダーとしてのあるべき姿を模索していく物語。名著のエッセンスを少しずつ抽出してあるので、楽しみながらも、どのように習慣を変えれば人生が変わっていくかをシミュレーションすることができるでしょう。

「自分を変える」本としてここまで2冊ご紹介してきましたが、この『HARD THINGS』は、よりストイックに、モチベーション高く、自分を変えていきたい人向けの本です。ビジネス書大賞2016というランキングでは、大賞を受賞しています。

著者は、シリコンバレーでベンチャーキャピタルを運営する身。本書を読むとよく分かりますが、彼の人生は荒波の連続でした。そこにあるのは、胃が痛くなりそうな生々しいエピソードの数々。ビジネス書によくある「こうすればこうなる」という整然とした理論や、一般的な成功物語がまとめられている訳ではなく、1人の人間の実体験がありありと綴られているのです。

困難を最終的に乗り越える方法は、「自分で決断すること」しかないのだという純然たる事実を読者に突きつける本書は、

「前例のないことを乗り越えるための強さ」を学べるとして日本電産会長の永守重信氏、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏など、多くの経営者から支持されている1冊です。

管理職など組織をまとめる立場にある方に特におすすめしたい一冊です。

「自分を変える」本として最後に紹介したいのは、40万部以上売れた堀江貴文氏の人生を振り返った自叙伝です。堀江氏はこの本を通して、「すべてを失っても、それはただまっさらなゼロに戻るだけ」というメッセージを強く訴えています。「だからまたそこから始めればいい」と言うのです。

逮捕されて、仕事も、人も、信用も失った著者だから語れる「ゼロ」の清々しさには、リアリティと説得力があります。本書は物語としても優れており、読み始めると、第0章で語られる刑務所時代の話に思わず引き込まれ、そこから一気に終わりまで到達してしまうことでしょう。

出所してはじめにやりたかったことは「働くこと」だという堀江氏。なぜなら働くことは、自分を変え、周囲を動かし、自由を手に入れるための唯一の手段だからです。「働くことで自分を変え続ける人」の人生から学べる貴重な1冊として、本書をおすすめいたします。

【ポイントⅣ】 未来を見据える

不確実性が増してきている現代において、未来は、過去の延長線上にはありません。そんな激動の時代に備えて、少し先の未来を見据えておくことは、キャリア形成に限らず、ゆとりを持った将来設計に生きるはずです。

2016年10月の発売から1か月で11万部を突破した『LIFE SHIFT』。副題である「100年時代の人生戦略」のとおり、人生を100年と見立てたときにどのような生き方をすべきかという内容がまとめられた名著です。

著者は「日本語版への序文」において、世界一早く長寿化の進む日本は、「100年時代の人生戦略」の先駆けになれると語っています。今まで多くの人が当たり前のようにたどってきた「教育→仕事→引退」という3ステージモデルが、すでに通用しなくなりつつある。

そんな時代に必要なのは、働きながら新たなスキルを磨き、一生のうちに複数のキャリアを持つ「マルチステージ」の考え方を提案している本書は、未来の生き方、働き方を思い描くことのできる本として、キャリア形成や人生設計に悩む人には、必読の1冊でしょう。

本書も『LIFE SHIFT』同様、2016年に発売されてベストセラーとなりました。近年、いかに未来への関心が高まっているかを証明するかのようです。本書はAIやVR、ブロックチェーン、IoTなど、話題のテクノロジーを12の潮流から読み解く内容です。

時代の変化は予測が難しいといわれますが、とはいえ、その潮流をつかむことはできそうです。たとえば現在シェアリングエコノミーが広がりを見せていることなどから、「所有」から「共有」の時代になりつつあることを読み取るように、潮流をつかむヒントはたくさん転がっているもの。

そのヒントを集め、12の潮流に分類してまとめたものが本書です。変化する時代に取り残されないためにも、私たちは未来を変えうるトリガーとなるものにアンテナをはっておく必要がありますが、本書は、つい近視眼的になりがちな私たちの、視野を広げる手助けとなるでしょう。

【ポイントⅤ】 学び続ける

人生100年時代のキャリアを歩き続けるには、常に学び続けることが大事です。ここまで9冊の本を紹介してきましたが、これ以外にも役に立つ本は多々ありますし、また今後とも出版されてくるでしょう。そこで最後に、効率よく「学び続ける」ための本を紹介します。

ここまで記事を読み進めてきたあなたは、読書好きでしょう。しかし、読めば読むほどに、読むべきだと思う本が増えていくのが世の常。そこで必要となるのは、「どんな本を読み、読まないか」という選別の思考であり、「戦略的に読書をする」という考え方です。

最後に紹介する本はしたがって、タイトルどおり『戦略読書』。生涯にわたって学び続けるために読書をどのように使うのか、役に立つアドバイスが書かれた本です。

著者の三谷宏治氏は、戦略コンサルタントとして長年、企業の経営戦略を考えてきた人です。若くして経営者にアドバイスをするような仕事のため、いかに付加価値のある考え方ができるかを思考し続けていました。しかしある時、周囲のみんなと同じ発想になっている自分に危機感を覚えたといいます。そしてその原因は、社会人になってからみんなと同じ本ばかりを読んでいたからだと。それから三谷氏は、「戦略的な」読書を始めたといいます。

多くの本を読んでも、それが他人と同じ本ばかりだったら凡庸な人で終わってしまう。だからこそ、読書にも「戦略」が必要なのです。本書では一例として、どんな本をどの時期に、どのくらい読むべきかを数値化して提示してあります。必ずしもその通りに真似る必要はありませんが、本書で描かれた読書戦略をベンチマークとして、それぞれ独自の読書戦略をつくることはとても意味あることでしょう。

なお本書は、読書術を語るだけにとどまらず、キャリアをつくるためのヒントや「読書→思索・行動→発信→スキル」という思考訓練術も盛り込まれています。戦略的な読書という「手段」だけでなく、自らの人生設計という「目的」にまで思いをはせることができ、充実の読後感となるはずです。付録には435冊ものブックガイドがついているので、今の自分に足りないパーツ(を補う本)を確認することにも役立つでしょう。


以上、2010年以降のベストセラーのなかでも、キャリア形成に悩む人におすすめしたい必読の10冊を紹介しました。悩みを解決したいのか、未来を見通したいのか、学び続ける方法論を手にしたいのか。あなたに合った1冊が、あなたの未来を開きますように。
文/honto編集部

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