あの人の推薦書籍

2017.03.14

【前編】婚活に悩んだ日本人女性が、なぜアメリカでマッチングサイトを作りヒットさせたのか!?

時岡 真理子(EastMeetEast創業者 / CEO)

世界の最先端が集まるニューヨークにて、アジア人に特化した婚活サイト「EastMeetEast」を立ち上げ急成長させている日本人女性がいます。それが、創業者で代表の時岡真理子さんです。

しかしこのヒットの背景には、時岡さん自身が、婚活で悩んだ経験があるのだとか。インタビュー前編では、日本でOLをしていた時岡さんが、なぜアメリカでアジア人向けのマッチングサイトを創るに至ったのか、その道のりを伺ってきました。

時岡真理子(EastMeetEast創業者、CEO)

「このままでいいのだろうか?」とキャリアに悩んだ20代

―― 時岡さんは、元々は外資の大企業で勤務されていたんですよね?

時岡真理子(以下、時岡) アメリカの大学でコンピューターサイエンスを学んだので、卒業後は日本に戻り、オラクルという外資のIT企業に入社しました。

英語を活かせる会社だったので、最初は楽しく働いていたのですが、次第に「このままでいいのかな?」と将来のキャリアを悩み始めました。当時は自社の会計・経理ソフトウェアを、大企業に販売する営業をしていて、規模感でいったら何十億円ものコンサルティング提案。スケールは大きかったけれど、そのために毎日深夜まで働き続ける人生に、意義を感じることができませんでした。また職場で成果を出している素晴らしい先輩もいましたが、自分が目指している姿ではなかった。私はもっと仕事を通じて社会に貢献している、人の役に立っていると実感できる仕事がしたかったんです。

そんな時に、社会起業で有名なプログラムがあるオックスフォード大学のMBAを知り、寝る間も惜しんで1年間勉強し、無事合格。30歳の時にイギリスに留学しました。

オックスフォード大学に入ったら、世界がガラッと変わりました。同級生はみなモチベーションが高くてキャリアビジョンもあって、すでに社会起業をしている人もたくさんいた。すごく刺激を受けましたね。次第に自分も、いつか起業したいと思うようになりました。

「このままでいいのだろうか?」とキャリアに悩んだ20代

DeNAの創業者と、イギリスで共同創業

―― 卒業後は、何をされたんですか?

時岡 オックスフォード大学の先輩から「DeNAを南場さんと共同創業した、渡辺さんという方がビジネスパートナーを探しているんだけど」と紹介してもらいました。彼は世界中の恵まれない子供達にも、公平に教育の機会を与えられるプラットフォームを作りたいという想いがあり、一緒に創業するメンバーを探していたのです。「これは私がやりたかった社会に貢献できる仕事だ!」と思い、すぐにYESと返事をしました。それからテクノロジーに強いメンバーも加わって、3人でQuipperという会社を創業しました。

もちろん何もないところからのスタートだったので、大変でした。最初はオフィスもなかったので、マクドナルドで渡辺と毎日夜遅くまで事業計画や経営戦略などを練っていましたね。大企業時代よりも仕事量は増えましたが、でもそれが苦というより楽しかったんですよね。やっぱり自分のやりたいことに直結しているということが、大きかったんだと思います。このQuipperは5年後の2015年にリクルートに48億円で買収されたのですが、それぐらい短期間で急成長しました。

―― 3人で立ち上げた事業が、そこまで急成長した理由はなんですか?

リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

著者:エリック・リース
出版社:日経BP社
定価:1,944円

急成長した理由①しっかりとしたビジョンがあったから

時岡 1つはしっかりとしたビジョンがあったからだと思います。「世界の子供に、公平に教育の機会を与えるプラットフォームを創る」というビジョンに共感して、優秀なエンジニアが入社してくれたり、投資家が潤沢な資金を投資してくれました

急成長した理由②スピーディにトライ&エラーをまわしたから

大企業は何かを決定する際も、何人もの承認を経てじっくり実行するけれど、ベンチャーはスピード命。とにかく挑戦と失敗を繰り返して、そこから学んでいかに早く次の施策をするかというのが、ベンチャーが成長する大きな鍵なんです。そうやって教育という軸はぶらさずに、いろんなビジネスに挑戦していく中で、次第にフィットするビジネスを創っていきました。

スピーディにトライ&エラーを繰り返す手法として『リーン・スタートアップ』を参考にしました。ユーザのモチベーション及び行動を最小単位に分けて仮説を立て、その仮説が合っているかどうかを見極める最小限の開発及びオペレーションを実装し、テスト検証を行う手法です。この結果検証を高速で回すことにより、スピーディに事業が進められました。

急成長した理由③創立メンバーに経験者がいたから

DeNAをゼロからあそこまで大きな企業にした経験がある渡辺が、創業メンバーにいたのは大きかったですね。一通り経験しているので会社を立ち上げる際に何をすべきか理解していますし、優秀な人材を採用する際や投資家に投資をしてもらう際も、それが大きな信頼に繋がりました

―― 順調に成長していった反面、大変だったことはありますか?

時岡 とにかくいかに速く、トライ&エラーをまわすかに力を入れていたので、メンバーに常に同じ気持ちでついてきてもらうことが大変でした。皆の気持ちを一つにするため、「世界の子供達に教育の機会を」というビジョンをひたすら話して、「そのために中・長期でもっと成長できるビジネスがしたいんだ」と伝え続けましたね。

ビジョンをひたすら話して

プライベートでは婚活に苦戦する日々

仕事は順調だったのですが、プライベートでは真剣に結婚相手を探していたにも関わらず、婚活に苦戦していました。イギリスではマッチングサイトを使うのは当たり前で、私も大手サイトを使っていたんですが、なかなかいいお相手に出会えなかったんです。当時は結婚するなら日本人がいいと思っていたのですが、それらの大手サイトでアジア人を検索しても、インド人とかスリランカ人を勧められてしまうんですよ。

海外にはユダヤ教徒向けのマッチングサイトや、インド人向けのサイトがあってそれぞれ成功しているのに、なんでアジア人向けがないんだろうと、すごく困っていました。

最終的には試行錯誤しながら、マッチングサイトで出会った日本人の男性とお付き合いすることができました。残念ながらその彼とは別れてしまいましたが、お付き合いしたいと思える人と出会えたということで、マッチングサイトの可能性を感じました。

オックスフォード大学時代から、いつか自分のアイディアで起業をしたいとずっと思っていましたし、その頃はちょうどQuipperの経営も安定したタイミング。自分が婚活で苦労した経験から、「アジア人に幸せなご縁をもたらせるようなサービスを作ろう」と起業を決意しました。

―― 起業することに不安はなかったんですか?

時岡 もちろん不安はありました。このビジネスは成功するのか様々な角度から分析しましたし、ある程度いい数字がでても、やっぱり不安は消えないんですよ。でもビジネスはアイディア5割、行動5割と思っているので、もしアイディアがダメでも残りの行動5割でなんとかなる。だから最後は気合でした(笑)。
そしてマッチングサイトの世界市場は、アメリカが半数以上。やるからには市場の大きなところで勝負したいと思い、今度はイギリスからアメリカのニューヨークに渡りました。

自身の経験から、アメリカでアジア人に特化した婚活サイトを作ろうと決意した時岡さん。インタビュー後編では、なぜ「EastMeetEast」が短期間でアメリカのアジア人の間で人気のサービスになったのか、その理由に迫ります。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

typeメンバーズパークの最新情報をお届けします

推薦者紹介

  • 時岡真理子(EastMeetEast創業者、CEO)

    時岡 真理子

    EastMeetEast創業者 / CEO
    株式会社日本オラクルで勤務後、オックスフォード大学MBA取得。DeNA共同創業者の渡辺氏とロンドンにてQuipperを創立し世界の教育プラットフォームを創る。自身が婚活で苦労をした経験から、2013年にニューヨークにてアジア人特化型の婚活サイト「EastMeetEast」を立ち上げる。

書籍を購入する

  • リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

    リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

    著者:エリック・リース
    出版社:日経BP社
    定価:1,944円

  • honto

    読みたい本に必ず出会える。読みたい本を読みたい形で読める。「honto」は書店と本の通販サイト電子書籍ストアがひとつになって生まれた、まったく新しい本のサービスです。

もっと見る